おたまじゃくしは、なまずの餌ではありません

文字数 469文字

 何に食われたんだ。縦に落ちる感じがなかったので、鳥とは思えない。このままだとお陀仏だ。蛙に成り切ってないから、粘液や毒とかまだ出せないだろうな。

「警告!、もうじき、なまずの胃液で溶け始めます。なまず1番に憑依しますか。」
「はい。」

 ヤッター!なまずだ。レベルが上がっていて助かった。なまずに待ち伏せられていたんだ。移動しなければもっと余裕があったに違いない。こいつがメスだったらアウトだったかもしれない。運なのか、ゲームを盛り上げるための設定なのか。いずれにせよ、これで大幅に近づけるはずだ。なまずは追跡機能のおかげで、どんどん下流に泳いでいく。水底が猛スピードで動いている。砂利や石を巧みに避けている。生物はすごいなあ。人間だったら、こんなに素早く障害物を避けられはしないだろう。目が横についているから、視野が広い。ただ、目自体はあまりよくなさそうだ。メガネが欲しい。

 狭い筒状のパイプが見える。いやな、予感。中が徐々に細くなって、行き止まってしまった。やられた、人間の罠だ。このまま、何日も捕まっていたら手遅れになる。
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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