無い!

文字数 431文字

「体が無い?」
 死神に連れてこられた木の上に、僕の肉体はなかった。
「どうすんだよー!」
 声は出なかったけど、思いっきり叫んだ。魂の叫びってやつだ。

「そこらの動物に憑依して運ばれてください。どこへ行くかは相手次第ですけどね。会話とかできませんよ。」
 死神は声だけ残していなくなった。

 どうやら、時間が経って僕の体は下の川に落ちたようだ。ここで死んでなかったら、枝が折れる前に助かってたかもしれない。
「?」
 木の枝が、スッパリときれいに切れている。美しい。まるで職人が刃物で切ったかのように。そう、例えば鎌・・・!
「死神!お前の仕業か!」

 川の中には捜索隊がいる。てことは、僕の体はまだ見つかってない。とりあえず、動物を探す。人間がいる。でも、僕の肉体と違うほうへ移動されたらやっかいだ。鳥は?街に行くような種類じゃない。

 大きく移動するものはリスクも高い。ここは地道にに進むほうがいい。毛虫がいる。とりあえず、こいつで木から下りるか。
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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