タマ抜き

文字数 514文字

 警察が来た。うまくすれば霊安室に行けるかもしれない。
「蚊1、憑依できます。」
 警官だから血の臭いがするってわけでもないだろうが、メスでよかった。

 蚊に憑依した。蚊は警官の背中にくっつくと病院の中に入った。エレベータで地下へ向かう。霊安室が地下にあるのは、霊柩車の出入りを隠すためだと聞いたことがある。

「魂の入れ替え機能はないですね。」
 森田の声だ。
「方法は3つ。1.リセットする。2.性転換する。3.投了する。」
 どれもいやー!
「異常の場合には、スタッフに頼んで『魂抜き』することはできます。ただ、片方のタマを取っちゃうわけですから、危険があるかもしれません。」
 なんか、いやな言い方するなあ。

 警官は霊安室に入っていく。やった。これで、僕とご対面だ。

「このままだと、魂別が不一致なので、生き返ったとき、オネエになりますけどいいですか。」
 いいわけないだろ。
「魂抜きしてもらいますけど、浮遊霊になりますから、どこに憑依するかは運しだいになります。近くに肉体があれば自分の体に戻ることもあります。どうします。」
 他に手がないならこれしかないだろう。
「お姉さん、一発、抜いちゃってください。」
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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