GPS

文字数 559文字

 野生のアライグマが日本にいるわけがない。きっと、ペットだったものが捨てられたんだな。憑依できたってことは寿命が近いってことだ。そのうち、変なものでも食べて死ぬんだろうか?

 青いマーカーはどっちだ?まだ、熊のほうだ。本体はあっちってことだ。
「今度は間違いないんだろうな?」
 僕は死神を疑い始めた。
「鬼じゃないので、わかりません。GPSに多少のバグはあると思います。そのための試作品ですから。」
 こいつ、聞きたくないことをさらっといいやがった。
「GPSの反応って、携帯でしょ。」
 僕は、正直あきれた。
「地獄パパラッチシステム。通称GPSです。」
 前はスルーしたがどうも気になる。
「地獄で、なぜGになる?」
 英語はヘルだし、獄の頭文字を取ったのか?
「カッコよさそうでしょ。単なるノリです。」
 こいつら、バカなの?

 不毛な会話はやめよう。
「ハシボソカラス1番まだいる?」
「いますよ。」

 ハシボソカラスは山に、ハシブトカラスは街に住むと聞いたことがある。果たして、カラスは熊を追った。まるで黒い悪魔かのように嫌われるが、鳥類ではダントツで頭がいいとされている。猛禽類に襲われなければ十分追跡できる。
「カラスとは。私、死神にぴったりですね。」
 こっちは、お前のために選んだんじゃない。
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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