ヘルプ・ミー
文字数 473文字
「ピピピ!」
大きな黒い毛玉が大きく開けた口の中に入ってくる。親鳥の頭が僕の口の中を出入りしている。今度はヒナ鳥になった。こいつの目線で見ると、さっきまで恐怖だった親鳥の顔もこころなしか優しげに見える。
「鳥って一度自分が飲み込んだものを吐き出して子供に与えるんだっけ。」
そう思ったとたん気持ち悪くなってきた。
餌やりを終えた親鳥は、再び餌探しに飛んでいってしまった。ヒナ鳥は自力で移動できない。次の憑依先を探さなければ。
「ところで、さっきの、質問は何だったんだろう。」
この、憑依システムのお助け機能なのか?
「おーい。解説機能は無いのか。」
返事はない。
そんな都合がいいわけないか。普段ゲームでも説明など、ろくに見ない行き当たりばったりの僕だが、このときばかりはマニュアルが欲しいと思った。
「ヘルプミー!」
やけくそで叫んだ。
「はーい。お呼びですか。」
さっきの死神の声が聞こえた。
「なんだ?おまえは?」
「『なんだ?』って言った?言ったよね。私はお助けキャラの『ヘルパー死神』。略して『ヘルプ・ミー』です。」
大きな黒い毛玉が大きく開けた口の中に入ってくる。親鳥の頭が僕の口の中を出入りしている。今度はヒナ鳥になった。こいつの目線で見ると、さっきまで恐怖だった親鳥の顔もこころなしか優しげに見える。
「鳥って一度自分が飲み込んだものを吐き出して子供に与えるんだっけ。」
そう思ったとたん気持ち悪くなってきた。
餌やりを終えた親鳥は、再び餌探しに飛んでいってしまった。ヒナ鳥は自力で移動できない。次の憑依先を探さなければ。
「ところで、さっきの、質問は何だったんだろう。」
この、憑依システムのお助け機能なのか?
「おーい。解説機能は無いのか。」
返事はない。
そんな都合がいいわけないか。普段ゲームでも説明など、ろくに見ない行き当たりばったりの僕だが、このときばかりはマニュアルが欲しいと思った。
「ヘルプミー!」
やけくそで叫んだ。
「はーい。お呼びですか。」
さっきの死神の声が聞こえた。
「なんだ?おまえは?」
「『なんだ?』って言った?言ったよね。私はお助けキャラの『ヘルパー死神』。略して『ヘルプ・ミー』です。」