イナバウワー

文字数 362文字

 カワウソは死体を追いかける。が、いいところまでいくと、小魚を捕まえては食べているので、今一歩で追いつかない。
「メガネかける!」
 カワウソはオールバックの黒い頭でメガネをかけた。とたん、目を回した。相手を指定するのを忘れた。
「うさぎにメガネかける!」
 メガネは白いウサギの頭に乗る。ウサギは2本の後足で立ち上がると、目を回したらしく後ろに大きくのけぞった。
「イナバウワーの白ウサギ。」

「あ、うさぎさん!」
 女の子の声だ。ウサギに気がついた。
「おいで、おいで。」
 川沿いから声をかける。ウサギは気付いて、川の反対岸へ飛び移ってしまった。あわてて、カワウソが追いかける。
「おい、そっちじゃない。」

「いっちゃった。ママー。うさぎさん逃げちゃった。」
 僕の体にも気付いて。女の子は見えなくなってしまった。
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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