第7話 勝利
文字数 3,764文字
一連の騒動が終わったころには日が暮れていた。
勝利はBランカー相当の傭兵に四人に名前通りの勝利を収めた。
遅れて事態の収拾にやってきたSTCOの部隊員たちが現場に到着する。そして、たくさんの警官が事後処理を行っていった。
勝利と海里は救急隊員に連れられ、救急車の手前で応急処置を受ける。すると、海里の存在に気が付いた一部のSTCOの隊員が近寄ってくる。
そして、まるで僕がいないかのように海里に話しかける。皆が海里に目がない。こんな美しい女性には無理もない。戦闘員というむさくるしい男だらけの世界では女性というだけで人目置かれる。
海里はそれに合わせ、とても優秀な優等生で美人。
海里に男たちが思い思いに声をかける。そして、ζ(ゼータ)の四人の傭兵を相手にし、市民を守った実績をほめたたえた。海里が『それは勝利の実績よ』と言っても皆は聞く耳を持たず、勝利に蔑みの目線を向ける。そんな虚言を彼女に強要した悪人にされるだけだった。
男たちは話題を変え、自分のランクを公開し部隊のスカウトを始めた。しかし、どの部隊の承諾も彼女は受けなかった。
代わりに彼女はとんでもないことを口にする。
「私は勝利と部隊を組むわ。命を懸けて私を守るって言われちゃったから」
その言葉にこの場にいる全員のあいた口がふさがらない。
そして、次に男たちが勝利をにらむのは無理もない。その場を離れていく男たちの背を見ながら勝利は小声で隣に座る海里に問いかける。
「ちょっと待って。さっきのどういうこと」
「どういうことも何も言ったことのまま。責任取ってよね」
顔を赤らめ少し恥ずかしそうに言う海里の声は後半に行くにつれ、小さくなっていった。
「え、でも。あの時は、ひっしで。それに僕たちが部隊を組むなんて」
一度部隊を組むということは今後、任務では同伴しなければいけなくなる。いわゆる相棒になるということだ。だからこそ二つの意味で戸惑う僕に凛々しい女性の声が響く。
「それはいいですね。私から話を通しておきます。それと先ほど話を聞きました、その剣を抜くことができたんですね」
その聞き覚えのある声に僕の意識が止まる。そして、ゆっくりと声の方を確認する。
全体的に黒と赤で統一された服装の彼女の腰にある原始的な武器。真っ黒な鞘にしまわれる長刀に細い体つき、そして姫カットの黒上は腰辺りまで細いポニーテールでまとめられている。
そして、異様に白い肌に僕と同じ少し切れ目の美しい女性。
僕はあまりの衝撃にあの時と同じように声が出なかった。
目の前にいる美しい女性の名前は三日月。あの日、血の海の中にいた。連れ去られた。死んだと思っていたお姉ちゃんだった。
何も言えない僕の隣で海里は深く頭を下げ感謝の言葉を言う。
「三日月様、ありがとうございます。この度の御恩は一生忘れません。この身、ご期待に沿えるよう日々精進してまいります」
「はい。阿佐美さん、頑張ってください。それでは私はこれで。勝利、今回のランキング戦もでますよね。私は見に行けませんが、勝ち上がって行くことを信じてます。『無敗の女王』。彼女に勝ってからまた会いましょう。それがお父様の出した最低条件です」
そう言い残しお姉ちゃんは消えていった。
「勝利のお姉さん本当にすごいわね。あの感じ『キサラギ』を止めるため、もしくはとらえるために急遽呼ばれてきたんでしょう」
「お姉ちゃんが……生きてる」
「ええ。って何を言ってるの?この日本、一億五千万人の頂点。Sランカー、五人のうちの1人。日本最後にして最強の女武者、三日月様。だから、貴方が始めに無能力者なんて言ったのが信じられなかったのよ。彼女の弟があなただって知ってたから」
「僕は知らなかった。何も」
「はぁ?……でもまぁSランカーのことも何も知らないみたいだったしね。父親に情報統制されてたりしてたのかもしれないわね」
「どうして父さんは……」
「そんなの知らないわよ。でもきっと、三日月様が言ってた条件を達成すればその真相も知れるでしょ」
「うん。それにお姉ちゃんにも会える。……ところで、『キサラギ』も元Sランカーってことは、昔のSランカーは六人いたってこと?」
「え?あんたそんなことも知らないの。本当に何も知らないのね。Sランカーになれる人は8人だけといわれているの。それは過去になった人もカウントされる。以前までSランカーは7人いたわ。でも、『キサラギ』を含めて2人が既にやめていて、現状は5人。だから、あと一人はSランカーになる人がいるってことね。その間にまた抜ける人が出るかもしれないから、最終的にSランカーが何人になるかはわからないわ」
「そのSランカーにお姉ちゃんが……」
「ええ。だから、勝利自信を持ちなさい。貴方は紛れもなく強い。だって、あのお姉ちゃんから訓練を受けてたんでしょ?今までの相手を蹴散らしてやりなさい!」
「うん。勝つよ。勝ち続ける。この名前にかけて」
勝利はちょうどレオンにぼこぼこにされている自分を見て小さく笑った。
そんな姿に戸惑うレオンは攻撃を中断し、問いかけた。
「何がおかしい。お前はいまとどめを刺される瞬間なんだぞ」
「違うよ。自分のみじめさにに嗤っただけ」
「そーかよ!」
打ち出された赤い槍が勝利を襲う。爆発が勝利の体を上空に打ち上げ、そのまま地面へと打ち付けた。
最後まで握っていた鞘のついた刀も手から離れ遠くに転がっている。勝利は体を動かすことなくただ地面に横たわっていた。優等生と言われていたEランカー9位、海里より順位が上の相手。Eランカー3位、レオンに勝てるはずがなかったんだ。
勝負の結果に会場が盛り上がる。しかし、審判の幼女が判定を下すことはなかった。
ため息交じりにレオンが上空に赤い槍を10本集め、それは次第に回転を始め甲高い轟音を会場に響かせる。
その音は会場に郷里の結果を知らしめた。
レオンの新たな奥義が見れたことに会場が盛り上がる。そんな中、ただ一人女性が絶叫する。
その声に会場が一瞬にして静まり返った。
「勝利いいいいいいいいぃぃぃ‼ζ(ゼータ)4人を相手にして勝ったんでしょ!そんな相手になっか負けるな!私との約束を破るつもりなの!あんたは強いんだから、そんな相手に暗い勝利してみなさいよ‼」
勝利の耳に届くたった一人の声援。誰もがバカにして、誰もが僕のことを見向きもしない。ずっと一人でいたから、人とのかかわり方も忘れてしまった。そのせいで自信なんてものは一かけらも持ってはいない。何処かで落としてしまった希望、勇気、愛情を海里がくれた。
その恩すら僕は受け取らずこぼそうとした。そんなことが許されるはずがない。必要とされている。期待されている。僕と約束してくれた海里の思いを裏切るわけにはいかない。
みんなを助けるためにこの組織に入ったんだ。皆を守るために今まで過酷な鍛錬に耐えてきたんだ。たった一人応援してくれている彼女の期待に応えられないで、何が英雄だ。何がヒーローだ。
僕は強くなった。戦えるようになった。覚悟を決めたんだ。
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお」
震える体を奮い起こす勝利の魂が咆哮を上げる。
唐突な勝利に同様を隠せないレオン。最大の一撃、10本の槍の共鳴が崩れ大きなエネルギーが分散する。
「くそ!こんな技使わなくたって結果は同じだ!」
ばらばらとなった赤い槍が次々に勝利へと飛んでいく。勝利は迫りくる槍を回避しながら刀を取りに走っていく。爆風を利用し、ボロボロな体で刀を何とかつかみ取った。同時に5本の槍を全て切り裂き、今度はレオンに向かい一直線に突進していく。
「くそ。そんな原始的な武器でこの槍を切るだと!?そんな、見えるはずが!あたるはずが!」
「僕が何もしてきてないとでも!僕も日々鍛錬してきたんだ!貴方たちに負けないぐらい血反吐をかいて練習してきた!切れなくたっていい。倒れるまでこの刀を振り続けるだけだ!」
さらに加速する体に、高速な斬撃乗っかる。一瞬でレオンの後ろに回った勝利。遅れる無数の衝撃波にレオンがよろめいた。
「君に僕を止めることはもうできない。けがをする前に降参してくれないかな」
「貴様!ふざけるなよ!この誇り高き魂に泥を塗れと!」
「そう……だよね。僕は家系とかそういうのが心底嫌いだけど、誇りに思っている人もいる。たしかにそうだ。ごめん、僕はまだ人に刃を向けることができない。この鞘を抜くことが出来ないんだ。時間はかかってしまうけど、正々堂々と最後まで戦うよ」
2人のは同時に方向を上げる。
「はぁぁぁぁああああああああああああああああ」
「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお」
目にも止まらな斬撃が何度もレオンの体を襲った。一瞬にして戦況が一転したその戦いに皆が息をのむ。
そして、ワーストワンと馬鹿にされた勝利が始めて勝利した試合となった。会場が今までの日ではないほどに爆発的な盛り上がりを見せ、勝利の噂は瞬く間にSTCO全体に広まった。同時にζ(ゼータ)4人を1人で倒した噂も広がり一躍時の人となった。
そのうわさを聞き付けた三日月は、竜命の前で始めて小さな笑みを浮かべた。そして、STCOの最高責任者津崎雅龍も微かに笑みを浮かべる。
勝利はBランカー相当の傭兵に四人に名前通りの勝利を収めた。
遅れて事態の収拾にやってきたSTCOの部隊員たちが現場に到着する。そして、たくさんの警官が事後処理を行っていった。
勝利と海里は救急隊員に連れられ、救急車の手前で応急処置を受ける。すると、海里の存在に気が付いた一部のSTCOの隊員が近寄ってくる。
そして、まるで僕がいないかのように海里に話しかける。皆が海里に目がない。こんな美しい女性には無理もない。戦闘員というむさくるしい男だらけの世界では女性というだけで人目置かれる。
海里はそれに合わせ、とても優秀な優等生で美人。
海里に男たちが思い思いに声をかける。そして、ζ(ゼータ)の四人の傭兵を相手にし、市民を守った実績をほめたたえた。海里が『それは勝利の実績よ』と言っても皆は聞く耳を持たず、勝利に蔑みの目線を向ける。そんな虚言を彼女に強要した悪人にされるだけだった。
男たちは話題を変え、自分のランクを公開し部隊のスカウトを始めた。しかし、どの部隊の承諾も彼女は受けなかった。
代わりに彼女はとんでもないことを口にする。
「私は勝利と部隊を組むわ。命を懸けて私を守るって言われちゃったから」
その言葉にこの場にいる全員のあいた口がふさがらない。
そして、次に男たちが勝利をにらむのは無理もない。その場を離れていく男たちの背を見ながら勝利は小声で隣に座る海里に問いかける。
「ちょっと待って。さっきのどういうこと」
「どういうことも何も言ったことのまま。責任取ってよね」
顔を赤らめ少し恥ずかしそうに言う海里の声は後半に行くにつれ、小さくなっていった。
「え、でも。あの時は、ひっしで。それに僕たちが部隊を組むなんて」
一度部隊を組むということは今後、任務では同伴しなければいけなくなる。いわゆる相棒になるということだ。だからこそ二つの意味で戸惑う僕に凛々しい女性の声が響く。
「それはいいですね。私から話を通しておきます。それと先ほど話を聞きました、その剣を抜くことができたんですね」
その聞き覚えのある声に僕の意識が止まる。そして、ゆっくりと声の方を確認する。
全体的に黒と赤で統一された服装の彼女の腰にある原始的な武器。真っ黒な鞘にしまわれる長刀に細い体つき、そして姫カットの黒上は腰辺りまで細いポニーテールでまとめられている。
そして、異様に白い肌に僕と同じ少し切れ目の美しい女性。
僕はあまりの衝撃にあの時と同じように声が出なかった。
目の前にいる美しい女性の名前は三日月。あの日、血の海の中にいた。連れ去られた。死んだと思っていたお姉ちゃんだった。
何も言えない僕の隣で海里は深く頭を下げ感謝の言葉を言う。
「三日月様、ありがとうございます。この度の御恩は一生忘れません。この身、ご期待に沿えるよう日々精進してまいります」
「はい。阿佐美さん、頑張ってください。それでは私はこれで。勝利、今回のランキング戦もでますよね。私は見に行けませんが、勝ち上がって行くことを信じてます。『無敗の女王』。彼女に勝ってからまた会いましょう。それがお父様の出した最低条件です」
そう言い残しお姉ちゃんは消えていった。
「勝利のお姉さん本当にすごいわね。あの感じ『キサラギ』を止めるため、もしくはとらえるために急遽呼ばれてきたんでしょう」
「お姉ちゃんが……生きてる」
「ええ。って何を言ってるの?この日本、一億五千万人の頂点。Sランカー、五人のうちの1人。日本最後にして最強の女武者、三日月様。だから、貴方が始めに無能力者なんて言ったのが信じられなかったのよ。彼女の弟があなただって知ってたから」
「僕は知らなかった。何も」
「はぁ?……でもまぁSランカーのことも何も知らないみたいだったしね。父親に情報統制されてたりしてたのかもしれないわね」
「どうして父さんは……」
「そんなの知らないわよ。でもきっと、三日月様が言ってた条件を達成すればその真相も知れるでしょ」
「うん。それにお姉ちゃんにも会える。……ところで、『キサラギ』も元Sランカーってことは、昔のSランカーは六人いたってこと?」
「え?あんたそんなことも知らないの。本当に何も知らないのね。Sランカーになれる人は8人だけといわれているの。それは過去になった人もカウントされる。以前までSランカーは7人いたわ。でも、『キサラギ』を含めて2人が既にやめていて、現状は5人。だから、あと一人はSランカーになる人がいるってことね。その間にまた抜ける人が出るかもしれないから、最終的にSランカーが何人になるかはわからないわ」
「そのSランカーにお姉ちゃんが……」
「ええ。だから、勝利自信を持ちなさい。貴方は紛れもなく強い。だって、あのお姉ちゃんから訓練を受けてたんでしょ?今までの相手を蹴散らしてやりなさい!」
「うん。勝つよ。勝ち続ける。この名前にかけて」
勝利はちょうどレオンにぼこぼこにされている自分を見て小さく笑った。
そんな姿に戸惑うレオンは攻撃を中断し、問いかけた。
「何がおかしい。お前はいまとどめを刺される瞬間なんだぞ」
「違うよ。自分のみじめさにに嗤っただけ」
「そーかよ!」
打ち出された赤い槍が勝利を襲う。爆発が勝利の体を上空に打ち上げ、そのまま地面へと打ち付けた。
最後まで握っていた鞘のついた刀も手から離れ遠くに転がっている。勝利は体を動かすことなくただ地面に横たわっていた。優等生と言われていたEランカー9位、海里より順位が上の相手。Eランカー3位、レオンに勝てるはずがなかったんだ。
勝負の結果に会場が盛り上がる。しかし、審判の幼女が判定を下すことはなかった。
ため息交じりにレオンが上空に赤い槍を10本集め、それは次第に回転を始め甲高い轟音を会場に響かせる。
その音は会場に郷里の結果を知らしめた。
レオンの新たな奥義が見れたことに会場が盛り上がる。そんな中、ただ一人女性が絶叫する。
その声に会場が一瞬にして静まり返った。
「勝利いいいいいいいいぃぃぃ‼ζ(ゼータ)4人を相手にして勝ったんでしょ!そんな相手になっか負けるな!私との約束を破るつもりなの!あんたは強いんだから、そんな相手に暗い勝利してみなさいよ‼」
勝利の耳に届くたった一人の声援。誰もがバカにして、誰もが僕のことを見向きもしない。ずっと一人でいたから、人とのかかわり方も忘れてしまった。そのせいで自信なんてものは一かけらも持ってはいない。何処かで落としてしまった希望、勇気、愛情を海里がくれた。
その恩すら僕は受け取らずこぼそうとした。そんなことが許されるはずがない。必要とされている。期待されている。僕と約束してくれた海里の思いを裏切るわけにはいかない。
みんなを助けるためにこの組織に入ったんだ。皆を守るために今まで過酷な鍛錬に耐えてきたんだ。たった一人応援してくれている彼女の期待に応えられないで、何が英雄だ。何がヒーローだ。
僕は強くなった。戦えるようになった。覚悟を決めたんだ。
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお」
震える体を奮い起こす勝利の魂が咆哮を上げる。
唐突な勝利に同様を隠せないレオン。最大の一撃、10本の槍の共鳴が崩れ大きなエネルギーが分散する。
「くそ!こんな技使わなくたって結果は同じだ!」
ばらばらとなった赤い槍が次々に勝利へと飛んでいく。勝利は迫りくる槍を回避しながら刀を取りに走っていく。爆風を利用し、ボロボロな体で刀を何とかつかみ取った。同時に5本の槍を全て切り裂き、今度はレオンに向かい一直線に突進していく。
「くそ。そんな原始的な武器でこの槍を切るだと!?そんな、見えるはずが!あたるはずが!」
「僕が何もしてきてないとでも!僕も日々鍛錬してきたんだ!貴方たちに負けないぐらい血反吐をかいて練習してきた!切れなくたっていい。倒れるまでこの刀を振り続けるだけだ!」
さらに加速する体に、高速な斬撃乗っかる。一瞬でレオンの後ろに回った勝利。遅れる無数の衝撃波にレオンがよろめいた。
「君に僕を止めることはもうできない。けがをする前に降参してくれないかな」
「貴様!ふざけるなよ!この誇り高き魂に泥を塗れと!」
「そう……だよね。僕は家系とかそういうのが心底嫌いだけど、誇りに思っている人もいる。たしかにそうだ。ごめん、僕はまだ人に刃を向けることができない。この鞘を抜くことが出来ないんだ。時間はかかってしまうけど、正々堂々と最後まで戦うよ」
2人のは同時に方向を上げる。
「はぁぁぁぁああああああああああああああああ」
「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお」
目にも止まらな斬撃が何度もレオンの体を襲った。一瞬にして戦況が一転したその戦いに皆が息をのむ。
そして、ワーストワンと馬鹿にされた勝利が始めて勝利した試合となった。会場が今までの日ではないほどに爆発的な盛り上がりを見せ、勝利の噂は瞬く間にSTCO全体に広まった。同時にζ(ゼータ)4人を1人で倒した噂も広がり一躍時の人となった。
そのうわさを聞き付けた三日月は、竜命の前で始めて小さな笑みを浮かべた。そして、STCOの最高責任者津崎雅龍も微かに笑みを浮かべる。