第138話 ~ヨゾラノナミダ~

文字数 581文字

「空が…泣いてる…」 綺麗な色だけど
 僕には分かる あれは悲しみの花


 幼い頃2人で 手をつないで よく来た
 人混みの中 はぐれないように
 お互いの 名前を呼んだ

 屋台には 人だかり
 並んでは 大はしゃぎ
 明日を疑わず 君といられた
 特別な 夏の夜だった

 サヨナラが言えなくて
 ナイアガラの記憶の中
 思い出の君の隣に今も
 立ってしまう 自分がいる

 空が泣いたのは 誰かを笑わせる為
 その切ない光は 優しさの桜
 どうか神様 あの花を散らさないで
 この空の下 どこかで君も見ているかな
 見てたらいいな…




 目に映る眩さを 手の届く煌めきを
 その大切さを 忘れないように
 いつも横で 教えてくれた

 ありがとうと言いたくて
 なんだかね そこに行けば
 いるような気がしてたのに
 今は 1人夜空を見上げてる

「空が…泣いてる…」
 綺麗な色だけど 僕には分かる
 あれは悲しみの花 散り逝くサクラ
 それは不器用な どこかの誰かみたい
 もう1度だけ会いたい
 あの優しい笑顔 あの横顔…



 あなたと生きる明日は
 私の希望で 光だった
 あなたといれる今日が
 私にとっての 全てだった

 空が涙で いっぱいになったよ
 あのたくさんの色が
 思い出のsakura 甦る花

 どうか これからも
 あの花を咲かせてね
 この季節がめぐるのなら
 僕も歩いていく
 空がやがて 笑う時まで…

 笑える日まで…
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