第111話 あと30分
文字数 1,185文字
風雅は木刀を手に間合いをとり、なんとか攻撃をかわしながら戦っていた。攻撃をかわしてその都度打てる所に打っていったのだが、さすがに全く痛みを感じている素振りも見えず息の抜けない戦いをしていた。
『ほれ、もっと打ってこんかい』
(…相当打ちこんだはずだ。少しは効果があってもよさそうなのに…)
蘭菜もなるべく攻撃を受けないように投げたり転ばせたりしながら踏んばっていたが、受ける1発1発がやはり重く、受けているダメージは風雅も蘭菜も大きいようだ。初めて目にするドーピング使用者を前に蘭菜は驚いていた。
『見かけによらずやんねんな。ウチにも柔道教えてくれや』
(気持ち悪いわ…投げても投げてもすぐ立って向かってくる。これじゃあまるでゾンビよ)
効き目が切れるまではまだ30分はある。麗桜も相手の体にダメージを残しながら自分もかなりダメージを受けている。
『お前のパンチなんぞ痛くも痒くもないで』
(こいつらに前の瞬ほどの脅威はねぇが、だがやはりバケモンだ。1時間が長い…くそったれ。これじゃあみんなその前にやられちまう)
そんな中蓮華は賢明にフットワークを駆使しながら相手にそこまでダメージを与えないまでも、逃げ回り自分もそこまでダメージを受けずに頑張っていた。それに蓮華に相当動き回らされて相手にも疲れがあるようだ。
『こらガキ!ちょこまかしとらんとかかってこんかい!』
『うるさいわね!いったらあんたに捕まっちゃうでしょ!』
(いいぞ蓮華。それでいいんだ。案外お前が1番押してるよ。へへ)
蓮華は相手のパンチを両手でガードして受けた。ガードしたまま殴り飛ばされ、ふっとぶ。
『いったぁ~い!!もう、バカじゃないの!?あんたあたし1番か弱いんだからね!』
(大丈夫。あたしだって頑張らなきゃ。見ててよ玲璃、豹那さん!)
その後も蓮華は打っては逃げを繰り返した。
そして愛羽対藺檻槐だったが、愛羽は受けるダメージのことなど構わず正面から殴り合いに徹した。
『なかなかタフなチビやな。どーや、まだいけるんか?』
ダメージの気にならない槐は明らかに余裕を見せている。
『うるさい!あんたは泣いて謝っても絶対許さないんだから!』
愛羽は飛び蹴りにいった。槐はそれをくらうのもお構いなしに愛羽の胸ぐらをつかみ寄せると頭突きを連発していく。
『うっ!』
ぶつかる度に白い光が目の前に広がる。愛羽はそれでも胸ぐらをつかまれたまま両手の拳を構え、1発やられては2発やり返す。
『まだ分からんのか?こっちはダメージがないねんぞ。もうえぇ、そろそろ沈めたるわ』
槐は愛羽の後ろに回りこみ首をロックした。このまま落とすつもりだ。
『あ…あんたなんか…豹那さんに…比べたら…ぜ、全然…大したことないよ…』
『なんやと?ははっ、何を言い出すか思たら、あんな女とっくに潰したったやないか。安心せぇや、今お前も同じ病院に送ったるわ!』
『ほれ、もっと打ってこんかい』
(…相当打ちこんだはずだ。少しは効果があってもよさそうなのに…)
蘭菜もなるべく攻撃を受けないように投げたり転ばせたりしながら踏んばっていたが、受ける1発1発がやはり重く、受けているダメージは風雅も蘭菜も大きいようだ。初めて目にするドーピング使用者を前に蘭菜は驚いていた。
『見かけによらずやんねんな。ウチにも柔道教えてくれや』
(気持ち悪いわ…投げても投げてもすぐ立って向かってくる。これじゃあまるでゾンビよ)
効き目が切れるまではまだ30分はある。麗桜も相手の体にダメージを残しながら自分もかなりダメージを受けている。
『お前のパンチなんぞ痛くも痒くもないで』
(こいつらに前の瞬ほどの脅威はねぇが、だがやはりバケモンだ。1時間が長い…くそったれ。これじゃあみんなその前にやられちまう)
そんな中蓮華は賢明にフットワークを駆使しながら相手にそこまでダメージを与えないまでも、逃げ回り自分もそこまでダメージを受けずに頑張っていた。それに蓮華に相当動き回らされて相手にも疲れがあるようだ。
『こらガキ!ちょこまかしとらんとかかってこんかい!』
『うるさいわね!いったらあんたに捕まっちゃうでしょ!』
(いいぞ蓮華。それでいいんだ。案外お前が1番押してるよ。へへ)
蓮華は相手のパンチを両手でガードして受けた。ガードしたまま殴り飛ばされ、ふっとぶ。
『いったぁ~い!!もう、バカじゃないの!?あんたあたし1番か弱いんだからね!』
(大丈夫。あたしだって頑張らなきゃ。見ててよ玲璃、豹那さん!)
その後も蓮華は打っては逃げを繰り返した。
そして愛羽対藺檻槐だったが、愛羽は受けるダメージのことなど構わず正面から殴り合いに徹した。
『なかなかタフなチビやな。どーや、まだいけるんか?』
ダメージの気にならない槐は明らかに余裕を見せている。
『うるさい!あんたは泣いて謝っても絶対許さないんだから!』
愛羽は飛び蹴りにいった。槐はそれをくらうのもお構いなしに愛羽の胸ぐらをつかみ寄せると頭突きを連発していく。
『うっ!』
ぶつかる度に白い光が目の前に広がる。愛羽はそれでも胸ぐらをつかまれたまま両手の拳を構え、1発やられては2発やり返す。
『まだ分からんのか?こっちはダメージがないねんぞ。もうえぇ、そろそろ沈めたるわ』
槐は愛羽の後ろに回りこみ首をロックした。このまま落とすつもりだ。
『あ…あんたなんか…豹那さんに…比べたら…ぜ、全然…大したことないよ…』
『なんやと?ははっ、何を言い出すか思たら、あんな女とっくに潰したったやないか。安心せぇや、今お前も同じ病院に送ったるわ!』