第128話 タイマンはってる場合ちゃう

文字数 565文字

 瞬対煌、そして神楽対天王道眩のタイマンは想像を絶する戦いになっていた。圧倒的な力のぶつかり合い、アクロバティックな技の打ち合い。とても10代の、しかも少女同士のケンカとは思えなかった。

 瞬と神楽は相手とやり合いながらお互いを意識していた。決して双方油断などできる相手ではないのに視線を送り、あたしの方が強い、お前にこれができるかとでも言うようにそれぞれの相手と戦いながら張り合っている。

 最初押されていた瞬も神楽に見せつけられ調子を徐々に上げると、ほぼ互角の戦いを経て押す場面を見せつけ返す。

 だが天王道姉妹もやはり関西最強を誇るだけあり1歩も引かなかった。

 この戦いは一晩じゃ終わらないかもな。樹と琉花がそんなことを思っていると眩が手を出しストップをかけた。

『待て…なんや臭わんか?』

『なんだい?あたしゃ屁なんてこいてないよ?』

 言われて神楽も臭いを気にすると確かになんだか臭う。だがなんだ?

 微妙にだが感じるその臭いに瞬も煌も手を止め、樹と琉花も気付いたようだ。

『あかんぞ…嘘やろ…』

 眩は近くの窓まで走り身をのり出して外を見た。するとやはり建物の下の方から火が出ている。すでに1階レベルは火の海だ。

『おい!勝負は一先ずおあずけや!中におる奴に知らせて逃げんとみんな焼かれてまうで!』

 眩の言葉にみんな頷き6人は走りだした。
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