第119話 予感は確信へ

文字数 537文字

 松本は急いでいた。

 あの後松本はどのようにして運ばれたのかは分からなかったが張り込みをしていたマンションの空いている物置の中に寝かされていた。

 あの時すれ違ったのは疎井だったのだろう。あの瞬間スタンガンを使われたに違いない。

 12階の踊り場から落とされていたかと思うとゾッとした。疎井にはそれができたのだ。

 だがわざわざ松本を運び人目のつかない所に隠した。

 今だから分かるが疎井はおそらく尾行されていたことも知っていた。それがどんな方法かは分からないが少なくとも松本のことは全て把握されていた、そう考えていいだろう。浜田の言った通りだった。

 松本は分からなかった。何故今になって自分に手を出してきたのか。

 もし仮にこれが自分に関わるなという脅しのメッセージだとしたら正直大成功だ。松本は疎井を甘く見すぎていた。

 それにしても疑問が残る。何故このタイミングで…

 謎は全て解けた。例の槐の作成したSNSの書きこみの情報を浜田から連絡を受けそれを見たからだ。

『…時間稼ぎや。俺に邪魔させへんように…やっぱり思った通りやった。ついに奴はやる気や。気づかないフリをしてたんもその為。今日この日を待っとったのはあいつや!俺はアホや…ずっと監視されとったんはこの俺やったんや。くそっ!』
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