第110話 作戦失敗
文字数 1,696文字
綺夜羅はもうすっかり元気になったようで仲間たちと笑いながら話していた。
『いやー、それにしても助かったなー。色んな人に血ぃ分けてもらってたなんてよ。感謝しなきゃだな』
『そ、そうだね。今日はゆっくり休んで明日にでもちゃんとお礼言おう』
旋はさりげなく綺夜羅を寝かせようとした。
『なんだよ、もう平気だよ。寝すぎてもう寝れねーよ。あれ?そーいや今日何日だ?』
『今日は27日だよ』
燃が日にちを教えると綺夜羅は大きな声を出して驚いた。
『うぇっ!?27日!?もう土曜日かよ!あたし丸3日も寝てたのか!?あ!やっべ、CBRのエンジンかけねーと』
『ちょちょちょ、今日1日位平気だって!あんたまだ寝てなよ!』
急に起き上がろうとする綺夜羅を掠は慌てて止めた。
『ん…』
何が気になったのか綺夜羅は少し黙ってから掠たちを見て言った。
『なんか今日お前ら変じゃねーか?あたしになんか隠してるだろ』
さすがに鋭く、みんな言葉に詰まりかけた。この流れはいつものバレるパターンだ。
『何言ってるのよ。あなた刀で斬られたのよ?心配しない方がおかしいじゃない』
『…そっか、まぁそうだよな』
すかさず珠凛がなんとかフォローした。珠凛の言うことは綺夜羅もすんなり聞いてしまう。
(ナイス珠凛!)(さすが、頼りになる~)
旋と掠が胸を撫で下ろすとまた別の問題が浮上した。
『あれ?なんだ数、お前ケガしてんじゃねーか。どうしたんだ?』
数だけは槐に相当やられたので、まだ傷や腫れが残ってしまっていて綺夜羅がそれに早速気づいてしまった。
他のメンバーは凍りついた。数と言えばバカが付くほど正直で、めんどくさい嘘などつけない女だからだ。だからいつも嘘や隠し事はだいたい数でバレる。
『…あ、あぁ。ちょっと階段で転んじまってよ』
数は実に苦し紛れの嘘をついた。
(終わった…嘘下手すぎかよ)
『あっはっは!お前は本当にドジだなぁ。人間だけじゃ飽き足らず階段とケンカかよ!尊敬するぜ!』
数以外の4人は完全に終了を思ったが、この時綺夜羅はそれを真に受け笑っていた。ドジと言われて言い返してしまいそうなのを数もなんとか抑え、一先ずみんなが息をついた時だった。
「バンッ!!」
突然ドアが勢いよく開いて緋薙豹那がやってきた。
『おい!あいつらどこ行った!』
掠たちは頭が真っ白になり石になった。
『おいガキ共!聞いてるんだよ!あいつらはどこだ!』
『あれ?ちょっと前に帰りましたよ?』
何も知らない綺夜羅が見たままを答えた。
『何が帰っただ…あいつらこのあたしをのけ者にしやがったな!!』
豹那は丁度寝てしまっていて愛羽たちがいなくなったことに気づけなかった。やっと今目を覚まし誰もいないことに気づいたのだ。
「バンッ!!」
また勢いよく出ていき、そして豹那の走る足音が響いていった。
『どーゆー…ことだ?』
『え?あ、どうしたんだろうね!寝ちゃってて置いてかれちゃったのかな?』
綺夜羅に燃がまたごまかそうとしたが今度はもうダメだった。
『そうじゃねぇよ…今の嬢王豹那だったよな?あの人、なんであんな傷だらけなんだ?あんな体でどこ行くつもりなんだよ…』
5人は黙ってしまった。
『なぁ、お前らやっぱりあたしになんか隠してねーか?今一体何がどうなってんだ?あいつら、どこ行ったんだよ』
5人はもう仕方なく綺夜羅に全てのことを話すしかなかった。
『バカやろう!!なんでそんなとこに咲薇を行かせたんだ!あいつが白狐だって思われてんなら、みんなして咲薇を狙うに決まってんじゃねぇか!!』
言うなり綺夜羅は服を着替え始めた。
『ちょっと綺夜羅、あんたどうするつもりなのよ!』
『行くに決まってんだろうが!このまま朝まで何もしないで待ってる位なら死んだ方がマシだ!おいめぐ、単車貸せ!』
『…あーあ。作戦失敗』
旋は自分のバブの鍵を差し出した。
『もはやこれまでだね』
燃は頭が痛そうだ。
『あたしは最初っからそう思ってたけどな』
『へぇ、珍しく数が正解だったのね』
『おいコラ』
数と珠凛がやり取りをする後ろで掠が心配そうな顔をしていた。
『綺夜羅…』
『そんな顔すんなよ。行こうぜ、掠』
『…うん。行く!』
『いやー、それにしても助かったなー。色んな人に血ぃ分けてもらってたなんてよ。感謝しなきゃだな』
『そ、そうだね。今日はゆっくり休んで明日にでもちゃんとお礼言おう』
旋はさりげなく綺夜羅を寝かせようとした。
『なんだよ、もう平気だよ。寝すぎてもう寝れねーよ。あれ?そーいや今日何日だ?』
『今日は27日だよ』
燃が日にちを教えると綺夜羅は大きな声を出して驚いた。
『うぇっ!?27日!?もう土曜日かよ!あたし丸3日も寝てたのか!?あ!やっべ、CBRのエンジンかけねーと』
『ちょちょちょ、今日1日位平気だって!あんたまだ寝てなよ!』
急に起き上がろうとする綺夜羅を掠は慌てて止めた。
『ん…』
何が気になったのか綺夜羅は少し黙ってから掠たちを見て言った。
『なんか今日お前ら変じゃねーか?あたしになんか隠してるだろ』
さすがに鋭く、みんな言葉に詰まりかけた。この流れはいつものバレるパターンだ。
『何言ってるのよ。あなた刀で斬られたのよ?心配しない方がおかしいじゃない』
『…そっか、まぁそうだよな』
すかさず珠凛がなんとかフォローした。珠凛の言うことは綺夜羅もすんなり聞いてしまう。
(ナイス珠凛!)(さすが、頼りになる~)
旋と掠が胸を撫で下ろすとまた別の問題が浮上した。
『あれ?なんだ数、お前ケガしてんじゃねーか。どうしたんだ?』
数だけは槐に相当やられたので、まだ傷や腫れが残ってしまっていて綺夜羅がそれに早速気づいてしまった。
他のメンバーは凍りついた。数と言えばバカが付くほど正直で、めんどくさい嘘などつけない女だからだ。だからいつも嘘や隠し事はだいたい数でバレる。
『…あ、あぁ。ちょっと階段で転んじまってよ』
数は実に苦し紛れの嘘をついた。
(終わった…嘘下手すぎかよ)
『あっはっは!お前は本当にドジだなぁ。人間だけじゃ飽き足らず階段とケンカかよ!尊敬するぜ!』
数以外の4人は完全に終了を思ったが、この時綺夜羅はそれを真に受け笑っていた。ドジと言われて言い返してしまいそうなのを数もなんとか抑え、一先ずみんなが息をついた時だった。
「バンッ!!」
突然ドアが勢いよく開いて緋薙豹那がやってきた。
『おい!あいつらどこ行った!』
掠たちは頭が真っ白になり石になった。
『おいガキ共!聞いてるんだよ!あいつらはどこだ!』
『あれ?ちょっと前に帰りましたよ?』
何も知らない綺夜羅が見たままを答えた。
『何が帰っただ…あいつらこのあたしをのけ者にしやがったな!!』
豹那は丁度寝てしまっていて愛羽たちがいなくなったことに気づけなかった。やっと今目を覚まし誰もいないことに気づいたのだ。
「バンッ!!」
また勢いよく出ていき、そして豹那の走る足音が響いていった。
『どーゆー…ことだ?』
『え?あ、どうしたんだろうね!寝ちゃってて置いてかれちゃったのかな?』
綺夜羅に燃がまたごまかそうとしたが今度はもうダメだった。
『そうじゃねぇよ…今の嬢王豹那だったよな?あの人、なんであんな傷だらけなんだ?あんな体でどこ行くつもりなんだよ…』
5人は黙ってしまった。
『なぁ、お前らやっぱりあたしになんか隠してねーか?今一体何がどうなってんだ?あいつら、どこ行ったんだよ』
5人はもう仕方なく綺夜羅に全てのことを話すしかなかった。
『バカやろう!!なんでそんなとこに咲薇を行かせたんだ!あいつが白狐だって思われてんなら、みんなして咲薇を狙うに決まってんじゃねぇか!!』
言うなり綺夜羅は服を着替え始めた。
『ちょっと綺夜羅、あんたどうするつもりなのよ!』
『行くに決まってんだろうが!このまま朝まで何もしないで待ってる位なら死んだ方がマシだ!おいめぐ、単車貸せ!』
『…あーあ。作戦失敗』
旋は自分のバブの鍵を差し出した。
『もはやこれまでだね』
燃は頭が痛そうだ。
『あたしは最初っからそう思ってたけどな』
『へぇ、珍しく数が正解だったのね』
『おいコラ』
数と珠凛がやり取りをする後ろで掠が心配そうな顔をしていた。
『綺夜羅…』
『そんな顔すんなよ。行こうぜ、掠』
『…うん。行く!』