第16話 高揚感

文字数 422文字

(あの子らは、なんやろ?いきなり3人で来よったと思ったら、なんか食べたり泣いたり笑ったり。750のGPZにCBXにCBR。は?あの小っさい子、あのCBX乗っとんか?ホンマに?めっちゃ族車やん。あの子暴走族なん?訳分からんわ関東…)

 咲薇は突然峠のパーキングに現れた同年代らしき3人組の少女たちに興味津々だった。

『若いのにみんな単車もピッカピカやないか。ただの暴走族ならなかなかあそこまではやれへん。ふ~ん…ん?なんや、もう行くんか?忙しい子たちやなぁ』

 3人がこの先の峠を走りにいく様子なのを見て咲薇は思いついた。

『…勝負してみよかな』

 そうつぶやくとすぐに自分の単車に飛び乗りエンジンをかけ、何回か吹かすと3人を追いかけていった。

『あれ!?全っ然見えん!ケッコー速いね』

 前をにらんでも3人の姿はなかなか見えてこない。

『なんやめっちゃワクワクしてきたわ~!よしっ、本気で行くわ!』

 咲薇は心を抑えられずアクセルを強く握り一気に加速していった。
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