鼓動のensemble(5)

文字数 512文字

 結局朝礼で課長から言われた文書を外出から戻ってから作ったので残業になってしまった。

 簡単なアンケート1枚とか言っていた割にはダメ出しが多くて何度か手直ししてやっとOKが出た。

「まだ終わらないの?」

 先輩の佐藤さんが私を気遣って聞いた。

「もう終わります。後はコピーするだけだから。メールとかネットにアップとかじゃないですよね?紙でプリントでいいんですよね?」

「違うだろ?課長に聞いてみなよ。」

「はい。」

 佐藤さんはそろそろ書類を片付け始めて帰り支度をしているようだった。

 課長に確認してからコピーを取りにいった。枚数が多いのでコピーしている間にパソコンを落としたり片付けを始めた。

 コピーが終了したようなので取りに行き課長に渡してから退出の挨拶をした。

 ロッカーで化粧直しをしながらスマホを見ると不在着信とLINEが来ていた。

 勇輝からだった。まだそれほど時間は経っていない。LINEでは東京駅にいるという。

 急いでコートを着てエレベーターホールに向かいながら電話をかけた。

 エレベーターホールには佐藤さんがいた。私は電話をかけていたので目で挨拶をした。

 佐藤さんがいたのでいったん電話を切ろうかと思ったとたんに勇輝が出た。
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