研修旅行(4)

文字数 545文字

 食事が済むと2人で並んでさっさと洗い物を片付けた。お酒を持ってローテーブルに移動してくつろぐ。

「いつ帰るんだっけ?」

「土曜日。土曜の夜に帰る。」

「迎えに行くよ。」

「ありがとう。でもいいよ。遅いから。一緒に行く先輩も家近いし。」

「そっか。」

「ねえ?いつか一緒に行きたいね、旅行。」

「そうだな。でも無理だろ?」

「さすがに海外は。国内の宿泊で一泊くらいじゃないと。親に男友達と海外旅行に行くとは言えない。」

「男友達なわけ?俺。」

 勇輝が自分を指差して言った。

「親に言うのに彼と行くなんてもっと言えないでしょ?」

「行きは平日だろ?」

「うん。あさって。月曜の夜。」

「じゃあ見送りも出来ないな。」

「うん。大丈夫。行きは会社から先輩と一緒だし。結構忙しい。成田についてもいろいろあるから。」

「最近海外なんて行ってないな。海外どころか旅行なんて国内さえも行ってない。」

 勇輝はグラスをカラカラと振ってからごくりと一口飲んだ。喉仏がゆっくりと上下した。

 少し落とした照明の下でちょっとくつろいで立て膝をする勇輝はすごく絵になっていてモデルのようだ。

 格好いい人ってどんな風にしててもカッコイイんだなと改めて思う。

「帰ってきて落ち着いたら1泊とかでどこか行こうか。」

「うん!行きたい。」

「よし。そうしよう。」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み