研修旅行（１１）

　過去の研修レポートを見ておいた。帰国後私も作成しなければいけないから見ておいた方がいいとアドバイスされたからだ。

　確かに今までの研修レポートを見るとタリフのようにあらゆる情報が報告されていて画像も網羅されていた。

「とりあえず人数確認だけな。それはお願い。」

「はい。わかりました。」

　山崎リーダーは着ていたジャケットを脱いで軽くたたんで荷物入れの荷物の上にそっとおいた。

「楽なのがあれば替えたら？」

　私もジャケットを脱いでもう少し楽な上着に替えてジャケットをしまってもらった。

「山崎リーダーって１人暮らしですか？」

「いや。違う。親と同居だよ。なんで？」

「別に。じゃあ高校もあの辺ですか？」

「うん。そう。」

　聞いてみたら山崎リーダーと安藤さんは同じ高校の卒業生だった。

「そうか。俺のほうが先輩だな。被ってはいないんだな。」

　山崎リーダーはちょっと気分良さそうに言った。

「でもなんで知ってんの？」

「ああ。聞いたんです。」

「さすがにイケメンには詳しいな。」

「まあ。私WWP担当だし。」

　（それにイケメン担当だし）と心の中では付け加えた。

「もともと俺の担当だけど知らなかったぞ。安藤さんかっこいいからチェック済か？」

「やめてくださいよ。 確かにイケメンだけど。」

「佐藤はかわいそうだなぁ。」

「は？なんで佐藤さんが出てくるんですか？」

「気づいてやれよ。佐藤はお前に気があるんだよ。」

「やめてくださいよ。何言ってるんですか？山崎リーダーおかしいですよ！」

　私は抗議した。