ウエディングチーム(8)
文字数 562文字
「佐藤に甘えすぎてる。佐藤も指導係としてどうかと思う。甘やかし過ぎだから高橋が成長しないんだ。」
自分のせいで佐藤さんまで厳しいことを言われるのが悔しくて情けなかった。我慢していたのにぽたっと涙がこぼれた。
「悔しいだろ?」
言葉のきつさの割に声音は優しかった。声音だけならねぎらうような慰めるような口調だ。
「佐藤だけじゃないよ。本田さんにもだよ。」
どきっとした。自分でも佐藤さんに甘えている自覚はあったが本田さんのことは指摘されるまで気づかなかった。
「これだって昼間本田さんが用意してたけど。やっといてあげるって言われたんだろ?」
「はい。」
「目は通したの?」
「はい。ザッと。」
「ザッと・・・か。」
嫌な間があった。次に何を言われるのかと思ったら湧いてきた涙が引っ込んでしまった。
「なぁ高橋。」
「はい。」
「本田さんがボーナスもらうべきじゃない?そう思わない?」
「はい。」
うなだれるしかなかった。
契約社員の本田さんにはボーナスと言えるほどの支給はない。あってもごくわずかな寸志程度で社員より0が1つ少ない。
「おまけに人員削減の話が出れば真っ先に候補にあがるのは非正規雇用の彼女だし。あ、別に今そういう話が出てるわけじゃないよ。」
山崎リーダーの言う通りだった。そのことは本田さん自身が以前言っていたのを聞いたことがあった。
自分のせいで佐藤さんまで厳しいことを言われるのが悔しくて情けなかった。我慢していたのにぽたっと涙がこぼれた。
「悔しいだろ?」
言葉のきつさの割に声音は優しかった。声音だけならねぎらうような慰めるような口調だ。
「佐藤だけじゃないよ。本田さんにもだよ。」
どきっとした。自分でも佐藤さんに甘えている自覚はあったが本田さんのことは指摘されるまで気づかなかった。
「これだって昼間本田さんが用意してたけど。やっといてあげるって言われたんだろ?」
「はい。」
「目は通したの?」
「はい。ザッと。」
「ザッと・・・か。」
嫌な間があった。次に何を言われるのかと思ったら湧いてきた涙が引っ込んでしまった。
「なぁ高橋。」
「はい。」
「本田さんがボーナスもらうべきじゃない?そう思わない?」
「はい。」
うなだれるしかなかった。
契約社員の本田さんにはボーナスと言えるほどの支給はない。あってもごくわずかな寸志程度で社員より0が1つ少ない。
「おまけに人員削減の話が出れば真っ先に候補にあがるのは非正規雇用の彼女だし。あ、別に今そういう話が出てるわけじゃないよ。」
山崎リーダーの言う通りだった。そのことは本田さん自身が以前言っていたのを聞いたことがあった。