秘密（３）

　カスタマーセンターの時に確かに何度も電話で話をしている聞き覚えのある名前。実際あって見るとイメージと違うなという印象はそれぞれあった。

　今後のためにはこうした顔合わせはしておいて損はなさそうと思いながらダラダラと予定の２時間が過ぎて会合は終わった。

　幹事の私と絵里が会計を済ませて出てくると店の外で山崎リーダーと安藤さんと課長が立ち話をしていた。

　ほかのメンバーは徐々に解散しているようだった。私たちが出て来るのを待って男性達も歩きだした。

「幹事ありがとうございました。」

　安藤さんから私と絵里に向かって挨拶があった。

「いいえ、こちらこそお忙しい中お時間を割いていただきましてありがとうございました。」

　私も相手にあわせて失礼のない挨拶を返した。

「お疲れ様。気をつけて帰れよ。安藤さん、今日はありがとうございました。また今度は例のヤツ是非いきましょう。」

　課長は私と絵里を労い、安藤さんに挨拶して一足先に離れていった。

　絵里も違うホームへ離れていき私と山崎リーダーと安藤さんの３人が同じホームに向かった。

　山崎リーダーと安藤さんは年齢的には同じくらいに見える。でも並んでいると気の毒なくらい山崎リーダーは引き立て役だ。

　山崎リーダーは私と同じ方面の１つ手前の駅のはずだった。どうやら安藤さんも同じ路線らしい。