足でまとい(3)
文字数 468文字
途中駅で人が降りて席が空いたので佐藤さんが隣に座った。
「横浜の鶴田さんて知ってる?」
佐藤さんに話し掛けられた。
「はい。よく電話で。」
「怒られるんでしょ?」
「はい。そうです。」
私は素直に認めた。私のいるコンタクトセンターの中では嫌な奴として有名な人だ。
「今から鶴田さんとこ行くから。」
「えっ」
私は佐藤さんの方を見て固まった。
「大丈夫だよ。そんなに恐がらなくても。」
佐藤さんは笑いながら言った。
「はい。」
そう返事してみたものの緊張せずにいるのは無理だ。電話に出て相手が名乗った瞬間にアドレナリンが噴出するというものだ。
「会えばそんなに嫌な人でもないよ。普通の人だよ。辛口だけど。」
佐藤さんはフォローするように言った。
「はい。」
一応そう返事してみたが平静ではいられなかった。
新入社員の頃は鶴田さんの言っている意味が全くわからず頭が真っ白になったことも度々あった。
とにかく保留に持ち込むまでもしどろもどろで、やっと保留にしても指導係の先輩に用件を伝えられない。
結局先輩が代わって鶴田さんに怒られるのだ。未だに苦手な相手だ。
「横浜の鶴田さんて知ってる?」
佐藤さんに話し掛けられた。
「はい。よく電話で。」
「怒られるんでしょ?」
「はい。そうです。」
私は素直に認めた。私のいるコンタクトセンターの中では嫌な奴として有名な人だ。
「今から鶴田さんとこ行くから。」
「えっ」
私は佐藤さんの方を見て固まった。
「大丈夫だよ。そんなに恐がらなくても。」
佐藤さんは笑いながら言った。
「はい。」
そう返事してみたものの緊張せずにいるのは無理だ。電話に出て相手が名乗った瞬間にアドレナリンが噴出するというものだ。
「会えばそんなに嫌な人でもないよ。普通の人だよ。辛口だけど。」
佐藤さんはフォローするように言った。
「はい。」
一応そう返事してみたが平静ではいられなかった。
新入社員の頃は鶴田さんの言っている意味が全くわからず頭が真っ白になったことも度々あった。
とにかく保留に持ち込むまでもしどろもどろで、やっと保留にしても指導係の先輩に用件を伝えられない。
結局先輩が代わって鶴田さんに怒られるのだ。未だに苦手な相手だ。