ウエディング手配（９）

「だけどホントに安藤さんてイケメンですねー。もうドキドキしちゃって緊張しまくり脇汗モノでしたよ。」

　絵里の言うことはすごくよくわかった。

「そうなんだ。」

　奈津美が感心するように言った。奈津美はまだ安藤さんと面識が無い。

「あれ？この前優希が２人で飲みに行ったって言ってた人だよね？」

　奈津美にはそのことを話していたのだ。

「そうなんですか？いつの間に。さすがイケメンだと手が早いですね。」

　絵里が言った。

「手が早いって、おい。」

　私は絵里を小突いた。

「いっそのこと安藤さん狙いはどうですか？つきあっちゃうとか？」

　絵里が言った。

「優希には成沢さんてこれまたイケメンがいるでしょ？絵里ったら自分で成沢さん紹介したくせに。」

　奈津美が言った。

「優希さんてやっぱり成沢さんと付き合ってるんですよね？」

「え？」

　絵里がなんでそんなことを聞いたのか腑に落ちなかった。

「付き合ってるよ。なんで？」

　私の代わりに奈津美が答えた。

「いやちょっと聞いてみただけ。」

　絵里が言った。

「絵里は結婚するし優希は成沢さんとラブラブだし。いいなぁみんなハッピーハッピーで。」

　そんなふうに言う奈津美にだって長い付き合いの彼がいる。