鼓動のensemble(15)

文字数 593文字

「帰らなきゃ。」

 私は呟いた。ベッドの上で勇輝の腕に抱かれて彼の胸の上に頭を乗せていた。

 つい1時間前にも同じことを呟いた。体を起こす私を勇輝はまた抱き寄せようとした。これではきりがない。

「ねえ。ほんとに・・・」

 軽くキスを交わしながらも甘い誘惑を退けて体を起こした。勇輝も起き上がって腕を伸ばした。

「そうだな。帰らなきゃいけないもんね。」

 私はタオルケットで体を隠してリビングに落ちている下着と服を取りにいった。

 勇輝もベッドから出て服を拾って着た。

 着替え終わり帰る支度が出来ると勇輝もコートを着た。玄関に向かう前にまた私を抱いてキスした。

 頭も体も溶けてしまいそうな、2人が融合してしまいそうな濃密なキス。

「ねえ・・・こんなこと・・・してたらまた・・・」

 私は切れ切れに言った。

「してたらまた・・・?また?どうしたの?」

 勇輝は意地悪く言う。

「したくなっちゃうよ・・・」

「何を?何をしたくなっちゃうの?」

 勇輝は私の胸を揉みながらまた意地悪く言った。その間もキスをやめない。

「・・・エッチ・・・変態・・・」

「細い割に大きくてとにかく敏感。Hセンサー。触り心地極上。 」

「エッチ」

「それは優だろ。エロいよなぁ、優。ほんと」

「う・・・ん。もう・・・ダメだったら・・・こんなことしてたら朝まで帰れなくなっちゃうよぉ・・・あっ・・・ヤダ・・・ダメ・・・」

 私はやっとのことで体を離した。
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