納会の日(9)

文字数 494文字

全員のドリンクが揃ったところで乾杯した。

「今日はもう1人の子はいないんだね。」

長谷川さんが言った。

「絵里ね。」

「かな?名前まで覚えてないけど。」

「何?いたほうが良かった?」

奈津美がからかい半分に聞いた。

「いや。俺はてっきりあの子関係でつながってるんだと思ってたからさ。」

長谷川さんが言った。

「そうだよ。始めはね。」

奈津美が言った。

「絵里は今頃、ほら、小山内くんだっけ?彼とデートでしょ。」

「そうなんだ。」

長谷川さんが納得したように言った。

「あの2人、付き合ってたのか。」

「がっかりした?」

奈津美が聞いた。

「全然。」

長谷川さんが平然と言った。

「なんだよ。俺らは小山内のダシに使われたってことか。」

成沢が言った。

「正確に言えば『俺ら』じゃなく長谷川さんと私の2人はね。」

奈津美が自分と長谷川さんを指差して言った。

「そちらのお2人はそうでもないでしょ?」

奈津美は成沢に言った。

「何?どういうこと?」

長谷川さんが奈津美と成沢を交互に見て聞いた。

「だってこの2人だって毎朝ご同伴出勤されてるみたいだからね。」

奈津美が私と成沢をさして言った。

「そうなの?」

長谷川さんが成沢の顔をまじまじと見て聞いた。
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