山の幸 -5月4日-

文字数 605文字

 山のプロから山菜を頂きました。
 タラの芽、コシアブラ、山ウド。
 熊にしか出会わない位の深山まで行って採るらしく、とても立派です。


 子供の頃は、山菜採りにちょくちょく連れていってもらいました。
 よく行ったのは、蕨、タラの芽、磐梯姫筍(細竹)採り。
 早起きして、春の山でお宝を探すのはなんとも言えない楽しみでした。

 あ、あそこにある!
 こっちにもある!
 やった、大きいのとれたぁ!

 なんて夢中になって採っていると、一緒に来た家族の姿が見えない、なんてことがたまに……。
 そんな時は一気に焦ります。
 冷や汗ダラダラです。
「おおーい!おおーい!」
 と叫びます。
 …………
 返事がないともう涙目。

 やばい、遭難した。
 生きてまちに帰れるか。
 山でどれだけ生きていけるか。
 子供なので、一瞬で色々考えました(笑)

 体感的には長いのですが、ほんの僅かな間なのでしょう。
 程なく、木の影から家族が現れると、心の底からホッとしたものです。
 懐かしい思い出ですね。

 
 さて、今夜のメニューは何にしましょうか。
 取り敢えずは、天ぷらかな。
 衣はごく軽く。タラの芽やウドはモチモチ、コシアブラはさっくさくで美味です。
 ウドはお吸い物もいいな。
 コシアブラを軽く茹でて、塩、白胡麻と和え、ご飯に混ぜる、シンプルなコシアブラご飯も良い香りで美味しいし……。

 うん、この量だと全部いけそうです。
 田舎ならではの贅沢、山の幸をいただきます。








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登場人物紹介

あづき


歴史とロマンスと甘味を好む小さな生き物です。

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