そよぐ緑の絨毯 -6月18日-

文字数 281文字

 草原みたいだなぁ。

 田植えからひと月ほど経つと、稲が成長し、地面が見えないくらい葉が伸びています。

 見渡す一面、青々とした田。
 今の時期の、この草原のような風景が好きです。
 
 風が吹くと靡く若稲。
 妙に、「風」の存在を感じるんです。
 感じるというより、見えると言った方が良いのかな。
 
 普段でも木が揺れたり、洗濯物が旗めいたりすると、風を感じますが、初夏の田んぼをいく風は、通り道が分かるんですよね。
 今、あそこをサァっと駆け抜けていったな。
 みたいな。

 体に受ける風の心地良さに、季節の移り変わりを感じながら、いよいよ夏が来るというのを、実感する瞬間です。

 
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登場人物紹介

あづき


歴史とロマンスと甘味を好む小さな生き物です。

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