蛍 -6月9日-

文字数 398文字

 扉を開けて外に出ると、小さな光がすうっと横切っていきました。
 
 涼しさを感じない夜だったので、そろそろ観れるかしら? と思ったのですが、どうやらアタリです。

 初夏の夜の風物詩!
 「蛍」です。

 ゲロゲロゲコゲコ……
 という蛙の声を聴きながら、夜の散歩に出かけました。
 
 闇に目が慣れてくると、僅かな光も見つけられるようになります。
 探しながら歩くと、田んぼの畦道に黄色い淡い光が点々としてるのが見えます。
 止まってるいる蛍もじっくり観察できるので良いですが、やはり醍醐味は空中を舞う姿。

 (飛んでないかな〜?)
 ドキドキしながら、水路の近くまで歩きました。

 すると

ふわっ、ふわっ、ふわっと

 複数の蛍が、光に強弱をつけながら飛んでいます。
 不規則な自然に光の点滅は、心に染みる美しさ。
 これぞ、これぞ田舎の特権です。
 
 人が集まると困るので秘密にしていますが(笑)我が家の周りは蛍の生息地です。
 

 
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登場人物紹介

あづき


歴史とロマンスと甘味を好む小さな生き物です。

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