出穂 -8月9日-

文字数 469文字

 最近、空気の匂いが変わってきました。
 何というか、稲の匂いが混じりだしたように感じます。

 田んぼを見ると、既に茎からは穂が出ています。
 穂が出てくると、稲は葉で光合成をしてブドウ糖をつくり、穂に送り込んで溜めはじめます。
 まだピンと立っている穂が、どんどん栄養を蓄えて、垂れるにつれ徐々に美味しいお米になっていきます。

 今年は春先から、作物の成長の進みが早く、様々なものの収穫時期が前倒しになっているそうです。

「稲刈り、暑いとやんだなぁ (暑いのは嫌だなぁ)…… 」
 田んぼ進み具合を見て、じいちゃんが漏らします。 

 稲刈りでは、肌の露出は厳禁。
 稲の毛はチクチク、稲の葉はギザギザ。触れるとかゆくなったり、葉っぱで切れたりします。
 長袖長ズボン。当然エアコンも無い外での長時間労働になるので、暑いととてもしんどい作業となります。
 あとひと月ちょいで、「ひとめぼれ」の刈り取りが始まります。爽やかな天気だといいなぁ。
 

 まだ暑い日が続きますが、近所のコスモスも花をつけ始めていました。
 季節は、少しづつ秋の準備に入ってきているようです。
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登場人物紹介

あづき


歴史とロマンスと甘味を好む小さな生き物です。

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