耳をすませば -6月7日-

文字数 490文字

「カッコー カッコー」

 最近の私の目覚まし音はこれです。
 アラーム音ではなく、本物のカッコウの声。
 よく通る声なので、窓を閉めていても聞こえるのです。
 近所の木の上に巣があるようで、毎年この季節になると清々しい鳴き声を聞かせてくれます。
 この声を聞くと、夏が来るんだなぁとしみじみ感じる、初夏の風物詩です。

 春から夏のはじめにかけて、耳を澄ますと聞きえてくるのは、大抵「鳥のこえ」です。
 ツバメのお宿になっていますし、蔵の屋根にもスズメがたくさん住んでいますので、

「チュピチュピ」
「チュンチュン」

 という楽しげなさえずりは、いつでも聞こえてきます。

 ほかに聞こえてくるのは、

「ボーボー、ポッポー、ボーボー、ポッポー」
 という長閑なキジバトの声。

「ケーン、ケーン」
 という哀愁を感じるキジの声。

「ピーヒョロロロ」
 大空をいくトビののんびりとした声。

「ギャーギャー」
 という、ヒヨドリの悲鳴のような声も。

 晴れの日の休日、家にいると絶え間なく聞こえる鳥のこえ。
 なんか平和だなぁという気分になります。

 季節が夏に移ると、これが朝から夕までセミの声に変わります。セミに……。



 
 

 
 

 
 
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登場人物紹介

あづき


歴史とロマンスと甘味を好む小さな生き物です。

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