第17話
文字数 633文字
この広大なベビー用品売り場で、赤ん坊一人探すのはいくらモートでも難しいことだった。モートは順に青い魂が赤い魂に変わっていく場所を調べていった。
お客もそれぞれ探してくれている。
ふと、モートはこのフロアの左側の奥。小さなベットのある辺りに赤い魂を見た。魂に大きさというものはないが、一番床に近い魂だったのだ。
だが、モートより先にオーゼムは素早く走りだしていた。
ものの数秒で、オーゼムは赤ん坊を抱きかかえていた。
「オギャア」と泣いた赤ん坊は信じられないほど真っ赤な顔になっていた。あと一歩遅ければ手遅れになるとモートは考えた。
Angel 3
「二人ともお疲れ様でした」
アリスが二人分の缶コーヒーを店の踊り場の自動販売機から買ってきた。モートはいらないと言ったが、最後には折れた。オーゼムの方は缶コーヒーをひどく珍しがっていた。
赤ん坊はこの二階の上にある。三階の受付に連れて行った。直接、母親にはさすがに知らせられないとモートが強く言うので、受付の店内放送で呼ぶことにしたのだ。モートがとても良い青年なのはわかっていたが、こんなにも優れたやさしさを持っていたことにアリスは興味を持ち始めていた。
「本当にお見事ですね。賭けは私の勝ちです」
オーゼムは右手に包まった銀貨を一枚高々と掲げた。
アリスは何のことかわからなかったが、オーゼムが本当に天界から来た天使なのではと思えてならない。不思議なことだが、アリスはモートと同じく。この人も人間ではないと信じていた。
お客もそれぞれ探してくれている。
ふと、モートはこのフロアの左側の奥。小さなベットのある辺りに赤い魂を見た。魂に大きさというものはないが、一番床に近い魂だったのだ。
だが、モートより先にオーゼムは素早く走りだしていた。
ものの数秒で、オーゼムは赤ん坊を抱きかかえていた。
「オギャア」と泣いた赤ん坊は信じられないほど真っ赤な顔になっていた。あと一歩遅ければ手遅れになるとモートは考えた。
Angel 3
「二人ともお疲れ様でした」
アリスが二人分の缶コーヒーを店の踊り場の自動販売機から買ってきた。モートはいらないと言ったが、最後には折れた。オーゼムの方は缶コーヒーをひどく珍しがっていた。
赤ん坊はこの二階の上にある。三階の受付に連れて行った。直接、母親にはさすがに知らせられないとモートが強く言うので、受付の店内放送で呼ぶことにしたのだ。モートがとても良い青年なのはわかっていたが、こんなにも優れたやさしさを持っていたことにアリスは興味を持ち始めていた。
「本当にお見事ですね。賭けは私の勝ちです」
オーゼムは右手に包まった銀貨を一枚高々と掲げた。
アリスは何のことかわからなかったが、オーゼムが本当に天界から来た天使なのではと思えてならない。不思議なことだが、アリスはモートと同じく。この人も人間ではないと信じていた。