第73話
文字数 1,005文字
血で汚れ過ぎたコートを脱ぎ捨てた。
空は今では粉雪は吹雪いていた。
ヒュウヒュウと風もでている。
真っ白な線路には一直線にギルズの乗った車の車輪の後がついている。
途中、白線からよじ登り。ホームから切符は買っていないがローカル線に乗った。モートは椅子に腰掛けるとパラバラム・クラブの女性が持っていたグリモワールも回収しないとと思った。珍しくモートはウトウトとすると、アリスの優しい声が聞きたいなと想った。
Sloth 6
「はあー、ではもう一回言いますよ。モート君の家系は魔女で、魔女裁判をする異端尋問官の一団がモート君の住む村へと来たのです。その一団は丁度、旅の途中でした」
オーゼムは溜息混じりに言った。
今は夜の20時を回ったところで、アリスとヘレンはもう三回も同じことをオーゼムに言わせていた。
「あの。オーゼムさん? その一団と村人の罪は何か関連しているのですか?」
ヘレンはここまではオーゼムから聞いていなかったようで、アリスもショルダーバッグを少し肩からずらして、ヘレンと同じような質問をしようとした時、オーゼムは急にニッコリと微笑んだ。
「さあ、答え合わせです! 村人全員がモート君の家族を一団に話したのです。何も言わなければ、通り過ぎるだけで、それで良かったのですが。モート君にはその村にフィアンセがいました。それを激しく嫉妬していた村長の息子が村人全員を抱き込んだのです。そして、モート君の家には火が放たれました。生き残れば魔女。死んでしまえば人間。こういうことですが……その時、銀の大鎌を持ったモート君が火の中から現れました。その日。病が蔓延している時期で、教会に呼ばれていたモート君は、死神になる素質を持っていました。それまでは魔女の母親と共に病を看病していたので、死んだ人の魂に多く触れていたのです。そう、誰よりもです……教会にはグリモワールが安置してあり、火を放たれた後に、モート君はまずはグリモワールを開けました。村人全員が罪を持った。そう狩りの対象です」
オーゼムはそこまで話すと、一つ咳払いをし、
「モート君はグリモワールによって死にました。そして、ジョンの最愛の人が教会の絵画へと封印をしたのですが……その絵画は古の魔女の母親の絵だったのです」
アリスは心底、モートに同情をした。
肩にぶら下げたショルダーバッグが床に落ちた。
アリスは自分がはらはらと泣いていることに気が付いた。
空は今では粉雪は吹雪いていた。
ヒュウヒュウと風もでている。
真っ白な線路には一直線にギルズの乗った車の車輪の後がついている。
途中、白線からよじ登り。ホームから切符は買っていないがローカル線に乗った。モートは椅子に腰掛けるとパラバラム・クラブの女性が持っていたグリモワールも回収しないとと思った。珍しくモートはウトウトとすると、アリスの優しい声が聞きたいなと想った。
Sloth 6
「はあー、ではもう一回言いますよ。モート君の家系は魔女で、魔女裁判をする異端尋問官の一団がモート君の住む村へと来たのです。その一団は丁度、旅の途中でした」
オーゼムは溜息混じりに言った。
今は夜の20時を回ったところで、アリスとヘレンはもう三回も同じことをオーゼムに言わせていた。
「あの。オーゼムさん? その一団と村人の罪は何か関連しているのですか?」
ヘレンはここまではオーゼムから聞いていなかったようで、アリスもショルダーバッグを少し肩からずらして、ヘレンと同じような質問をしようとした時、オーゼムは急にニッコリと微笑んだ。
「さあ、答え合わせです! 村人全員がモート君の家族を一団に話したのです。何も言わなければ、通り過ぎるだけで、それで良かったのですが。モート君にはその村にフィアンセがいました。それを激しく嫉妬していた村長の息子が村人全員を抱き込んだのです。そして、モート君の家には火が放たれました。生き残れば魔女。死んでしまえば人間。こういうことですが……その時、銀の大鎌を持ったモート君が火の中から現れました。その日。病が蔓延している時期で、教会に呼ばれていたモート君は、死神になる素質を持っていました。それまでは魔女の母親と共に病を看病していたので、死んだ人の魂に多く触れていたのです。そう、誰よりもです……教会にはグリモワールが安置してあり、火を放たれた後に、モート君はまずはグリモワールを開けました。村人全員が罪を持った。そう狩りの対象です」
オーゼムはそこまで話すと、一つ咳払いをし、
「モート君はグリモワールによって死にました。そして、ジョンの最愛の人が教会の絵画へと封印をしたのですが……その絵画は古の魔女の母親の絵だったのです」
アリスは心底、モートに同情をした。
肩にぶら下げたショルダーバッグが床に落ちた。
アリスは自分がはらはらと泣いていることに気が付いた。