第74話

文字数 597文字

 サン新聞より抜粋

 昨日18時26分から19時30分の間に起きた。セントラル駅での一台の車両の暴走事故は、多くの怪我人をだすも、線路上で何らかの事件により。犯人のギルズ・マイト容疑者は死亡。なお、同氏を警察は余罪について追及する姿勢であると発表。
…………
 ヒルズタウンの路上にて凍死寸前だったパラバラム・クラブ大量殺人の容疑者ミランダ・アーリントンは、駆けつけた警察に保護された。その後、警察は事件との関連性を追及する模様。

 モートはオーゼムとノブレス・オブリージュ美術館の玄関先で新聞を読んでいた。空は凍てついているが、吹雪は止んでいた。アリスはすでに家に帰り今は夜中の23時を回った頃だ。
「期待以上ですね。さすがです。モート君……」
「ああ。今日は本当に疲れたよ……」
 モートは二冊のグリモワールをオーゼムに渡した。オーゼムは新聞を脇下に挟むとニンマリとし、そのグリモワールを片手で光の奥へとしまった。
「良かったですね。これでギルズの持つ憤怒の書。サタンに、ミランダという女性の怠惰の書。ベルフェゴールが回収できました。モート君。お疲れ。明日に備えてゆっくり休んでくださいね」
「……今日は久しぶりに寝よう……」
「それでは」
 モートはノブレス・オブリージュ美術館の館内へと重い足取りで向かい。
 オーゼムは新聞を折りたたんで持つと、そのまま軽い足取りで横断歩道を渡ってバス亭へと歩いて行った。

 
 
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登場人物紹介

モート・A・クリストファー

アリス・ムーア

シンクレア・クリアフィールド

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