第50話
文字数 779文字
モートは次々と怒号の中。身体を通り過ぎていく人々の中央を歩いていった。
モートの狙いは蠍のみ。色欲のグリモワールを持つ。もはや狂人と化した女性もモートを通り抜けて行く。
天井から埃が滝のように床に落ちている。
視界は真っ白になった。
まるでモートを走り抜ける暴徒の激しい足音が、天井の埃を嵐のように落としているかのようだった。だが、モートを通り抜けて暴徒はそのまま遥か後方へと呆然と過ぎ去っていく。
巨大な蠍がワラワラと二階から階段を降りて来た。
暴徒と化した人々がモートを通り抜ける中。
モートは銀の大鎌を構えた。
巨大な蠍は無尽蔵に現れてくるが。
ふと、急にその数が止まった。
この建物の二階からオーゼムの大きな声が木霊する。
「モート君! さあ、グリモワールは封印した! あなたの狩りの時間です!」
どうやら、二階のダンスホールにあると思われる。色欲のグリモワールをオーゼムが封印したので、蠍がこれ以上は出現しなくなったのだろうと、モートは考えた。
モートは蠍のみに、銀の大鎌を振った。
一体目を横に振り、二体目の顔面を縦に振って、正確に身体の一部を刈り取っていく。それでも、巨大な蠍は次々とモートに毒を吐きつけながら、突進していた。
モートは辺りの暴徒の拳を振り上げた突進も気にせずに、確実に蠍のみを狩り続けた。
モートの身体を通り抜ける暴徒が急に静まり返った。
どうやら、正気を取り戻したのだろう。
「また、残念ね! まだ一匹いるわ!」
あの狂った女性が肩に乗せた大き目の蠍を持っていた。踵を返し逃げ出そうとすると、モートが銀の大鎌を構えたが……。
「はい! 終わりです! あなたと私の負けです!」
いつの間にか女性の傍にいたオーゼムが蠍を取り上げていた。蠍を光の奥へと仕舞うと。
「賭けは今日はアリスさんの勝ちですね」
オーゼムはかなり残念な顔をした。
モートの狙いは蠍のみ。色欲のグリモワールを持つ。もはや狂人と化した女性もモートを通り抜けて行く。
天井から埃が滝のように床に落ちている。
視界は真っ白になった。
まるでモートを走り抜ける暴徒の激しい足音が、天井の埃を嵐のように落としているかのようだった。だが、モートを通り抜けて暴徒はそのまま遥か後方へと呆然と過ぎ去っていく。
巨大な蠍がワラワラと二階から階段を降りて来た。
暴徒と化した人々がモートを通り抜ける中。
モートは銀の大鎌を構えた。
巨大な蠍は無尽蔵に現れてくるが。
ふと、急にその数が止まった。
この建物の二階からオーゼムの大きな声が木霊する。
「モート君! さあ、グリモワールは封印した! あなたの狩りの時間です!」
どうやら、二階のダンスホールにあると思われる。色欲のグリモワールをオーゼムが封印したので、蠍がこれ以上は出現しなくなったのだろうと、モートは考えた。
モートは蠍のみに、銀の大鎌を振った。
一体目を横に振り、二体目の顔面を縦に振って、正確に身体の一部を刈り取っていく。それでも、巨大な蠍は次々とモートに毒を吐きつけながら、突進していた。
モートは辺りの暴徒の拳を振り上げた突進も気にせずに、確実に蠍のみを狩り続けた。
モートの身体を通り抜ける暴徒が急に静まり返った。
どうやら、正気を取り戻したのだろう。
「また、残念ね! まだ一匹いるわ!」
あの狂った女性が肩に乗せた大き目の蠍を持っていた。踵を返し逃げ出そうとすると、モートが銀の大鎌を構えたが……。
「はい! 終わりです! あなたと私の負けです!」
いつの間にか女性の傍にいたオーゼムが蠍を取り上げていた。蠍を光の奥へと仕舞うと。
「賭けは今日はアリスさんの勝ちですね」
オーゼムはかなり残念な顔をした。