第41話
文字数 774文字
シンシンと降る雪の間に、時折日差しが射している。
「あらそう、アリス。モートはどこへ行ったのか知っているかしら? 今度は改めてゆっくりお礼を言いたいの。でも、モートがこんなにも良い人だったなんてね。ミリーが家に来てから、最初何も言わなかったのに、でも、急に堰を切ったようにモートに助けてもらったとか言いだして、そしたら、母さんが「夜遅くから何やってたの! すぐに帰らないし!」って、それはもう。見るのも聞くのも嫌になるほどの長い説教だったわ」
アリスもアーネストも頭を抱えたくなるほど、その時の光景が何故だか鮮明に想像できた。
Gluttony 4
ヘレンはあまりにもモートたちが遅いので、玄関先まで迎えに行こうとした。手荷物を持って、自室の503号室のドアに鍵を掛けると、ドア越しに電話のベルが鳴っているように思えた。
高級な絨毯の上を厚底のブーツで歩いていると、エレベーター付近に大きく開いたドアが見える。訝しんでよく見ると、507号室と書かれ、室内から美味しそうな肉汁の匂いが広がっている。
ヘレンはとても嫌な奇妙な感覚を覚えた。
Gluttony 5
モートはグランド・クレセント・ホテルまで雪の降る中。縦横無尽に横断歩道や道路を走っていた。当然、通り抜けているので事故はまったくといっていいほどない。
不思議とクラクションも鳴り響くこともなかった。
モートは一目散にヒルズタウンへと向かう。
オーゼムを置いて……。
電話にヘレンがでなかったので、モートは急いでいた。何か危険な状況にヘレンが立たされていると考えた。その危険な状況とは一体? さっぱりわからない。だが、モートは急ぐことにした。
空からは急激に大雪が降り出した。鉛色の雲が空全体を覆っている。太陽光が完全に遮断され、かなりの雪が降り積もると同時に気温も急激に下がりだした。
「あらそう、アリス。モートはどこへ行ったのか知っているかしら? 今度は改めてゆっくりお礼を言いたいの。でも、モートがこんなにも良い人だったなんてね。ミリーが家に来てから、最初何も言わなかったのに、でも、急に堰を切ったようにモートに助けてもらったとか言いだして、そしたら、母さんが「夜遅くから何やってたの! すぐに帰らないし!」って、それはもう。見るのも聞くのも嫌になるほどの長い説教だったわ」
アリスもアーネストも頭を抱えたくなるほど、その時の光景が何故だか鮮明に想像できた。
Gluttony 4
ヘレンはあまりにもモートたちが遅いので、玄関先まで迎えに行こうとした。手荷物を持って、自室の503号室のドアに鍵を掛けると、ドア越しに電話のベルが鳴っているように思えた。
高級な絨毯の上を厚底のブーツで歩いていると、エレベーター付近に大きく開いたドアが見える。訝しんでよく見ると、507号室と書かれ、室内から美味しそうな肉汁の匂いが広がっている。
ヘレンはとても嫌な奇妙な感覚を覚えた。
Gluttony 5
モートはグランド・クレセント・ホテルまで雪の降る中。縦横無尽に横断歩道や道路を走っていた。当然、通り抜けているので事故はまったくといっていいほどない。
不思議とクラクションも鳴り響くこともなかった。
モートは一目散にヒルズタウンへと向かう。
オーゼムを置いて……。
電話にヘレンがでなかったので、モートは急いでいた。何か危険な状況にヘレンが立たされていると考えた。その危険な状況とは一体? さっぱりわからない。だが、モートは急ぐことにした。
空からは急激に大雪が降り出した。鉛色の雲が空全体を覆っている。太陽光が完全に遮断され、かなりの雪が降り積もると同時に気温も急激に下がりだした。