第83話
文字数 1,447文字
「この調子で門を閉めていけばいいんだな」
そう呟くと、今度はシンクレアたちがいるイーストタウンへと急いで向かった。
イーストタウンも真っ赤な巨大な太陽によって、建造物が焼けただれていた。人々も逃げ惑い。途方に暮れた人もいる。
「建物の中へ入っててくれ!」
モートはそう叫ぶと、迷路のような小道を走り、火だるまの人間たちの溢れかえる商店街に入った。その中央には、すでに開いている地獄の門が聳えていた。
地獄の業火の火炎を躱しながら、火だるまの人間の首に刈りこみ。
それぞれ絶命させると、モートは今度は巨人に挑んだ。
瞬時に三体の巨人の首があらぬ方へと吹っ飛んだ。
狩りが終わると、シンクレアたちはどこだろうとモートは辺りを見回した。
辺りは、高温から逃げ惑う人々で埋め尽くされていた。
その中では、当然全員が赤い魂だ。
モートは魂の区別もつかずに、困っていると、パニックの中でミリーを見つけた。
「一体?! どういうことなの?! 何が起きているの?! モート?!」
こちらに気が付いたミリーは一人のようで、パニック状態の人々の間を縫うようにこちらに走って来た。ミリーの周りの人々は逃げるのに必死だ。だが、今は安全なところなんてこの街にはないのだ。
「いきなり真っ赤な太陽が昇ったと思ったら、全身に熱湯をかけられたみたいに熱くなって、今度は家の冷たかったはずの水は真っ赤になるし、今朝の新聞の天気予報はいつもと同じ大雪が降ると書いてあったのに……」
ミリーは打ちひしがれたかのように、泣き崩れ。モートはミリーの顔を覗くと、周りの人々と同じ目になっていた。そう、希望を失った目だった。
「大丈夫。オーゼムが何とかしてくれるから……それと、シンクレアは?」
モートはそんなミリーを元気づけてやった。
「知らないわ……ロイヤル・スター・ブレックファーストの本拠地に行く途中で……私はみんなとはぐれてしまったの……シンクレア姉さんもそこへ向かうはずよ。そこでみんなで集まろうって、そう言ってあるから」
大量の汗を拭い。涙を拭いたミリーは少しは落ち着いたようだ。
「そうか……あ、ミリーはそこへ向かってくれ! ぼくは門を閉めに行かないと……この道をまっすぐに行けばいいから!」
モートは焼けた商店街の一つの小道を指差した。
ミリーは知らないが、この商店街にはロイヤル・スター・ブレックファーストの対抗組織であるグリーンピース・アンド・スコーンの本拠地のパン屋があった。
グリーンピース・アンド・スコーンの黒い魂の人々も溢れかえる火だるまの人間に向かって、トンプソンマシンガンなどの銃で応戦をしていた。
一人の黒い魂の男がミリーに駆け寄って来た。熱によって真っ赤な顔のその男は、早口で言った。
「さあ、早くここから逃げるんだ! ここはもう駄目なんだ! どんなに応戦しても、奴らは減らない! 仲間もたくさん死んで、俺たちの数が減る一方だ!」
火だるまの人間たちによって、バスの停留所や天幕が轟々と燃え盛る。高温と煙が人々を更に死へと誘った。
「大丈夫だから、少しここで待っててくれ……」
モートは男の肩を軽く叩いた。
ミリーは希望を取り戻したかのようにニッコリ微笑むと、小道を走り出した。
モートは燃え盛る炎の中へと飛び込んだ。
火だるまの人間たちが、あっという間に首が飛んでいく。
モートは数分の狩りで一人残らず狩り尽くすと、今度は地獄の門を閉めに行った。焼き付いた地面に聳える巨大な門の前には三つの首を持つ大きな犬がいた。
そう呟くと、今度はシンクレアたちがいるイーストタウンへと急いで向かった。
イーストタウンも真っ赤な巨大な太陽によって、建造物が焼けただれていた。人々も逃げ惑い。途方に暮れた人もいる。
「建物の中へ入っててくれ!」
モートはそう叫ぶと、迷路のような小道を走り、火だるまの人間たちの溢れかえる商店街に入った。その中央には、すでに開いている地獄の門が聳えていた。
地獄の業火の火炎を躱しながら、火だるまの人間の首に刈りこみ。
それぞれ絶命させると、モートは今度は巨人に挑んだ。
瞬時に三体の巨人の首があらぬ方へと吹っ飛んだ。
狩りが終わると、シンクレアたちはどこだろうとモートは辺りを見回した。
辺りは、高温から逃げ惑う人々で埋め尽くされていた。
その中では、当然全員が赤い魂だ。
モートは魂の区別もつかずに、困っていると、パニックの中でミリーを見つけた。
「一体?! どういうことなの?! 何が起きているの?! モート?!」
こちらに気が付いたミリーは一人のようで、パニック状態の人々の間を縫うようにこちらに走って来た。ミリーの周りの人々は逃げるのに必死だ。だが、今は安全なところなんてこの街にはないのだ。
「いきなり真っ赤な太陽が昇ったと思ったら、全身に熱湯をかけられたみたいに熱くなって、今度は家の冷たかったはずの水は真っ赤になるし、今朝の新聞の天気予報はいつもと同じ大雪が降ると書いてあったのに……」
ミリーは打ちひしがれたかのように、泣き崩れ。モートはミリーの顔を覗くと、周りの人々と同じ目になっていた。そう、希望を失った目だった。
「大丈夫。オーゼムが何とかしてくれるから……それと、シンクレアは?」
モートはそんなミリーを元気づけてやった。
「知らないわ……ロイヤル・スター・ブレックファーストの本拠地に行く途中で……私はみんなとはぐれてしまったの……シンクレア姉さんもそこへ向かうはずよ。そこでみんなで集まろうって、そう言ってあるから」
大量の汗を拭い。涙を拭いたミリーは少しは落ち着いたようだ。
「そうか……あ、ミリーはそこへ向かってくれ! ぼくは門を閉めに行かないと……この道をまっすぐに行けばいいから!」
モートは焼けた商店街の一つの小道を指差した。
ミリーは知らないが、この商店街にはロイヤル・スター・ブレックファーストの対抗組織であるグリーンピース・アンド・スコーンの本拠地のパン屋があった。
グリーンピース・アンド・スコーンの黒い魂の人々も溢れかえる火だるまの人間に向かって、トンプソンマシンガンなどの銃で応戦をしていた。
一人の黒い魂の男がミリーに駆け寄って来た。熱によって真っ赤な顔のその男は、早口で言った。
「さあ、早くここから逃げるんだ! ここはもう駄目なんだ! どんなに応戦しても、奴らは減らない! 仲間もたくさん死んで、俺たちの数が減る一方だ!」
火だるまの人間たちによって、バスの停留所や天幕が轟々と燃え盛る。高温と煙が人々を更に死へと誘った。
「大丈夫だから、少しここで待っててくれ……」
モートは男の肩を軽く叩いた。
ミリーは希望を取り戻したかのようにニッコリ微笑むと、小道を走り出した。
モートは燃え盛る炎の中へと飛び込んだ。
火だるまの人間たちが、あっという間に首が飛んでいく。
モートは数分の狩りで一人残らず狩り尽くすと、今度は地獄の門を閉めに行った。焼き付いた地面に聳える巨大な門の前には三つの首を持つ大きな犬がいた。