第85話
文字数 1,161文字
The end of the world 4
ザンッ。一つの首をモートは狩りとった。地獄の番犬ケルベロス。そんな名前がモートの頭に浮き出たていた。太陽の光で焦げたアスファルト上で、二つの口からの牙をモートは寸でのところで躱して隙を伺う。
猛攻を回避しながらケルベロスの一つの首に首輪がついているのをモートは発見した。どこかにこの巨大な犬の飼い主がいるのだろうか?
突然、街中に鳴り響く数回の吠え声のあと、こちらにケルベロスが突進してきた。モートは避けると、そのままケルベロスは街を破壊しながら突進する。そのままここイーストタウンの商店街から東の端のウエストタウンまで走り通してしまいそうだった。モートはすぐに後を追いかけた。
猛スピードの風の中。ケルベロスの肉体に銀の大鎌を幾度も振る。無数の鎌傷がケルベロスの身体を覆ったが、それでもケルベロスは建造物を破壊しながら走り続けた。
地獄の門が開いた。
ウエストタウンまでモートとケルベロスが走り通すと、そこは亡者が蘇る死者の街だった。傷ついたケルベロスは、ウエストタウン・セメタリー・パークの中央。どうやら墓場の土から、亡者が這い出るそこへと向かう。
公園の中央に辿り着いたケルベロスの鎌傷が、徐々に癒えているのが目の錯覚ではないことにモートは気が付いてきた。辺りは亡者の群れの腐臭に包まれた。
The end of the world ???
「ほら、お行きなさい……私はここから動けないから……君に期待しているよ」
真っ暗な。そして、凍てつくような狭い場所に男はいた。男がそういうと、狭い場所が更に狭くなるかのような重い呼吸音が辺りを包み込む。
「さあ、君の飼っているペットはきっと、今はウエストタウンにいると思うんだ。なあ、思うんだが……世界が終わる時に一人だけで、この街に立っているとする。その男は一体。何を思うんだろうか? どんな気持ちなんだろうか? 想像を絶するような絶望感に頭を下げるのか? それともただ子供のように泣き叫んでいるのか? それとも……? だけども、私ならきっと……」
男の目の前の人の形をした物体はこう言った。
「何でも望めばいいんだ。もはや世界は君のものだよ」
その物体はウエストタウンの方を向くと霧のように消えた。
The end of the world 5
モートは溢れかえる周囲の火だるまの人間の首と共にケルベロスの首を狩っていた。
けれども、一向にケルベロスの首の数は減らない。
モートは真っ赤な太陽の下で、ここからヒルズタウンの方を向いて首を傾げる。オーゼムと同じく。何ものにも見えない魂の群れがかなりの速さで迫って来るのを感じたからだ。モートは警戒して銀の大鎌を持ち直すと自分。いや、ケルベロスの元へとその軍勢が現れた。
ザンッ。一つの首をモートは狩りとった。地獄の番犬ケルベロス。そんな名前がモートの頭に浮き出たていた。太陽の光で焦げたアスファルト上で、二つの口からの牙をモートは寸でのところで躱して隙を伺う。
猛攻を回避しながらケルベロスの一つの首に首輪がついているのをモートは発見した。どこかにこの巨大な犬の飼い主がいるのだろうか?
突然、街中に鳴り響く数回の吠え声のあと、こちらにケルベロスが突進してきた。モートは避けると、そのままケルベロスは街を破壊しながら突進する。そのままここイーストタウンの商店街から東の端のウエストタウンまで走り通してしまいそうだった。モートはすぐに後を追いかけた。
猛スピードの風の中。ケルベロスの肉体に銀の大鎌を幾度も振る。無数の鎌傷がケルベロスの身体を覆ったが、それでもケルベロスは建造物を破壊しながら走り続けた。
地獄の門が開いた。
ウエストタウンまでモートとケルベロスが走り通すと、そこは亡者が蘇る死者の街だった。傷ついたケルベロスは、ウエストタウン・セメタリー・パークの中央。どうやら墓場の土から、亡者が這い出るそこへと向かう。
公園の中央に辿り着いたケルベロスの鎌傷が、徐々に癒えているのが目の錯覚ではないことにモートは気が付いてきた。辺りは亡者の群れの腐臭に包まれた。
The end of the world ???
「ほら、お行きなさい……私はここから動けないから……君に期待しているよ」
真っ暗な。そして、凍てつくような狭い場所に男はいた。男がそういうと、狭い場所が更に狭くなるかのような重い呼吸音が辺りを包み込む。
「さあ、君の飼っているペットはきっと、今はウエストタウンにいると思うんだ。なあ、思うんだが……世界が終わる時に一人だけで、この街に立っているとする。その男は一体。何を思うんだろうか? どんな気持ちなんだろうか? 想像を絶するような絶望感に頭を下げるのか? それともただ子供のように泣き叫んでいるのか? それとも……? だけども、私ならきっと……」
男の目の前の人の形をした物体はこう言った。
「何でも望めばいいんだ。もはや世界は君のものだよ」
その物体はウエストタウンの方を向くと霧のように消えた。
The end of the world 5
モートは溢れかえる周囲の火だるまの人間の首と共にケルベロスの首を狩っていた。
けれども、一向にケルベロスの首の数は減らない。
モートは真っ赤な太陽の下で、ここからヒルズタウンの方を向いて首を傾げる。オーゼムと同じく。何ものにも見えない魂の群れがかなりの速さで迫って来るのを感じたからだ。モートは警戒して銀の大鎌を持ち直すと自分。いや、ケルベロスの元へとその軍勢が現れた。