第1話 新年早々

文字数 980文字

 昨年の11月に腰痛を患い、仕事もウォーキングも休んでいる。そのせいだと思うが頻繁にめまいがする。目が覚めたときだけなので、良性発作性頭位めまい症と勝手に決めて、めまい体操をしていた。そのせいか、良くなったと思ったが正月の忙しさで、昨日今日はぐーるぐる。新年早々耳鼻科に行った。

 待つこと、1時間半。咳をする者、真っ赤な顔の乳児を抱いているママ、推し車の高齢の女性。そして高齢者の私。コロナは大丈夫か? 
 ようやく呼ばれた。声の小さな先生だな、と思った。もっと大きな声で呼べよ、と。
 問診の後にいろいろな検査。聴覚、血圧(下が高いと言われ測り直したが同じだった。以前は正常値だったのに)
 目を閉じて足踏みを百回したら……1メートルも前進していた。(そんなバカな)
 他にもいろいろ、フラフラ具合を調べたようだ。かなり悪そう。

 時間がかかり、また待たされ、再び呼ばれ診断結果。また2度呼ばれたみたい。

 なんと、めまいの症状はない! 
 腰痛で歩かなかったから、正月で忙しかったから、忙しいのはだめなのだそうだ。
 それでも薬が2週間分出た。まあ、そんなもん……

 それよりショックなことが……
「右耳の聞こえが悪いのはいつ頃から?」
 青天の霹靂。検査したのなんて数十年前。
 耳の聞こえが悪いなんて自覚症状がない。
 いや、この間、家電にかかってきたセールスの声が遠かった。電話が遠いです、と切ってやった。
 夜中イヤホンをして音楽を聴いていると、右からは流れてこないのだと思い外していた。

 片側だけの難聴も高齢が原因なのか? 
 症状を進ませないためには、適度な運動とバランスの取れた食事しかないそうだ。

 はいはい、本気で気をつけます。イヤホンはやめます。でもショック!

 それに、もうひとつ、気になることが。
 次女に言われた。
「おかあさん、黒目が白いよ」
 鏡で見ると黒目の縁がグレー。これも自分では気づかなかった。夫も妻の顔を見ていないのだな。お互い様だが。
 老人環というらしい。6歳上の姉の目はそうなってはいなかった……!
 長女は言った。
「かっこいいじゃん。外人みたい。憧れじゃん」
 グレーはロシア人やフィンランド人の色みたい。
 眼科にも行ったほうがいいのかな? またショックなこと言われたりして。健康診断もしてないな。

 若いと思っていたのに。
 七掛けならまだ40代なのだが。




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