第64話 肌の色
文字数 1,302文字
ヨッ!
そう言って手をあげ、聡美ちゃんの隣に座らせてもらった。
聡美ちゃん、めっちゃ恥ずかしそうにうつむいたけれど、直ぐに横にズレて席をあけてくれた。顔、まっ赤にしながら。
「いつも、ありがとう。素敵な衣装作ってくれて。」
「い、いえ、どう致しまして。こちらこそ…、そう言ってもらえると嬉しい…です…」
最後はほとんど聞き取れないほど小さな声だった。僕の目を見て話すなんて全然無理みたい。でも、そんなこと気にならない。
んなことより、僕から話をすることの方が大事。だから、一生懸命話したんだ。
聡美ちゃんの作ってくれた服のデザインや色のどういうところが好きか。
どんな点が個性的で、どうしてほかの人に真似できないのか…。
それを、素人の僕なりの言葉でね。
思いはちゃんと伝わった…と思う。聡美ちゃん、身を乗り出して、目を耀かせながら、熱心に聞き入ってくれたから。
いつの間にか僕の目をじっと見つめていた。思わず僕の方が、タジタジになりそうなくらい強い眼力で。
「ありがとう…。ユウキちゃんにそう言ってもらえると、ほんとに嬉しい。そこまで、細かく見てもらってるとは思ってなかったから…。やってよかった…」
そう言ってとても嬉しそうな笑顔を浮かべてくれた。今まで見せたことがないくらい素敵な笑顔を。
僕も嬉しかった。
「胸元が大きく開いてる服あるでしよ?初めてお城で憲斗と顔合わせするシーンで着る真っ白な服。あれ、オッパイ見えそうだから最初びっくりした。
ま、オッパイってほどのもの、無いんだけどさ…。」
そう言って笑うと、
「ご、ごめんなさい…。」
って、慌てた表情浮かべて謝られた。
「ううん、とっても気に入ってるよ。
あれって僕のどんなイメージから考えたの?」
「あ、あの…、ユウキちゃん、とっても肌白くて綺麗だから…。それ、強調したくて…。
ユウキちゃんの肌の色に…、服の色が溶け込むような、そんなイメージで…」
「えっ、じゃあ、もしかして僕の肌の色、観察してた?」
「い、いや…、あの…、じゃなくて…、ホントに印象に残るんです…、ずうっと、残像になって…、それくらい…」
そう言って恥ずかしそうにうつむいた。
「へえっ、すごいね!だってホントに肌の色と見分けつかないもん。自分で言うのもおかしいけど、あの服のおかげで、僕、肌キレイなんだなって思った。
憲斗も初めてあれを目にしたとき、ビックリしてるの分かった。すごいアタフタしてて、見てて笑えた…」
そう言って笑うと、
「色っぽいから…、とっても…」
って言った。そして、蚊の鳴くような小っちゃな声で、
「羨ましいです…」
って付け加えた。
えっ、羨ましい…
そっか…
前は言われたことなかったな…
でも…
「聡美ちゃんもとっても素敵だよ。聡美ちゃんみたいな人がいてくれるから、この部はうまく回ってるし、僕も安心して楽しくやれてるんだ。ありがとう。」
笑顔に一瞬綺麗な閃光が走った。僕はそれをハッキリと目にした。
僕、実は知っています。あなたがいつも作業している机の片隅に、ちっちゃな僕の写真の切り抜きを飾ってくれていることを。偶然見てしまいました。
僕、いい感じで笑ってたね…
そう言って手をあげ、聡美ちゃんの隣に座らせてもらった。
聡美ちゃん、めっちゃ恥ずかしそうにうつむいたけれど、直ぐに横にズレて席をあけてくれた。顔、まっ赤にしながら。
「いつも、ありがとう。素敵な衣装作ってくれて。」
「い、いえ、どう致しまして。こちらこそ…、そう言ってもらえると嬉しい…です…」
最後はほとんど聞き取れないほど小さな声だった。僕の目を見て話すなんて全然無理みたい。でも、そんなこと気にならない。
んなことより、僕から話をすることの方が大事。だから、一生懸命話したんだ。
聡美ちゃんの作ってくれた服のデザインや色のどういうところが好きか。
どんな点が個性的で、どうしてほかの人に真似できないのか…。
それを、素人の僕なりの言葉でね。
思いはちゃんと伝わった…と思う。聡美ちゃん、身を乗り出して、目を耀かせながら、熱心に聞き入ってくれたから。
いつの間にか僕の目をじっと見つめていた。思わず僕の方が、タジタジになりそうなくらい強い眼力で。
「ありがとう…。ユウキちゃんにそう言ってもらえると、ほんとに嬉しい。そこまで、細かく見てもらってるとは思ってなかったから…。やってよかった…」
そう言ってとても嬉しそうな笑顔を浮かべてくれた。今まで見せたことがないくらい素敵な笑顔を。
僕も嬉しかった。
「胸元が大きく開いてる服あるでしよ?初めてお城で憲斗と顔合わせするシーンで着る真っ白な服。あれ、オッパイ見えそうだから最初びっくりした。
ま、オッパイってほどのもの、無いんだけどさ…。」
そう言って笑うと、
「ご、ごめんなさい…。」
って、慌てた表情浮かべて謝られた。
「ううん、とっても気に入ってるよ。
あれって僕のどんなイメージから考えたの?」
「あ、あの…、ユウキちゃん、とっても肌白くて綺麗だから…。それ、強調したくて…。
ユウキちゃんの肌の色に…、服の色が溶け込むような、そんなイメージで…」
「えっ、じゃあ、もしかして僕の肌の色、観察してた?」
「い、いや…、あの…、じゃなくて…、ホントに印象に残るんです…、ずうっと、残像になって…、それくらい…」
そう言って恥ずかしそうにうつむいた。
「へえっ、すごいね!だってホントに肌の色と見分けつかないもん。自分で言うのもおかしいけど、あの服のおかげで、僕、肌キレイなんだなって思った。
憲斗も初めてあれを目にしたとき、ビックリしてるの分かった。すごいアタフタしてて、見てて笑えた…」
そう言って笑うと、
「色っぽいから…、とっても…」
って言った。そして、蚊の鳴くような小っちゃな声で、
「羨ましいです…」
って付け加えた。
えっ、羨ましい…
そっか…
前は言われたことなかったな…
でも…
「聡美ちゃんもとっても素敵だよ。聡美ちゃんみたいな人がいてくれるから、この部はうまく回ってるし、僕も安心して楽しくやれてるんだ。ありがとう。」
笑顔に一瞬綺麗な閃光が走った。僕はそれをハッキリと目にした。
僕、実は知っています。あなたがいつも作業している机の片隅に、ちっちゃな僕の写真の切り抜きを飾ってくれていることを。偶然見てしまいました。
僕、いい感じで笑ってたね…
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