第43話 配役の変更
文字数 1,296文字
ミーティングではシオン先輩の隣に座らされた。何となくみんなの顔を見るのが怖い気がしていたけど、和やかな雰囲気で進んでいった。意外とこういう時って、シオン先輩の隣だと安心する。
配役の変更が幾つかあった。
一番驚いたのは、サカキの代わり、つまり僕の相手役が憲斗だってこと。これで主役級が二人とも2年生ということになり、完全に今までの慣例を破る形になった。
これまではずっと3年生がやることになっていた。4年生は夏には引退するので裏方やサポートに回ることが多い。2年生の僕が主役ってのは杏先輩の一件で特例っていう認識だったので、憲斗がなるのは意外だった。
「3年生の中には不満に思う人もいるかもしれない。でも、適材適所ってのがあるべき姿だと思うんだ。俺は今回の配置決定にはかなり自信を持ってる。今年の3年生は、映像技術に長けた人材が多いし、主役より脇役やらせる方が味のあるやつが豊富だと思う。
主役に関して言うと、コイツ(こ、こいつ~?)を選んだのは、コイツに映像制作なんか任せらんない、っていう消極的な理由じゃなくて…、ま、もちろんそれもあんだけど…、それより何よりコイツ、妙な存在感や色気あるから、やっぱストーリーも映像もコイツを前面に押し出して、コイツ中心に展開していくのがベストだと思うんだ。で、コイツの相手役考えたら、やっぱ憲斗だろ。
学年優先の配役配置ってのは、来年以降無くした方がいいと思う。本当に良いもの作ろうと思うのなら、そんなもの無くすべきだってのが俺の考えだ。
ただ、反論あったら聞きたいんで遠慮無く言って欲しい。」
「それには大賛成だから、反論じゃ無いんだけどさ…」
って、美優が手をあげて、
「元の憲斗の穴は埋めないのぉ?……ですか…」
って、いつものタメ口のノリで尋ねた。
すると、シオン先輩…
「そこは俺がなる!」
って胸張って答えた。
当ったり前だけど全員が大ブーイング!僕は両手で隣から猛ブーイング。1年生や、なぜか兵藤先輩までブーブー言ってた。
「ウッセイナ、冗談だよ…。そこは空白にする。考えてみるとさ、親衛隊のトップって、美優一人の方が絵になるっつうか、逆に締まるイメージがあるんだ(うん、うん!さすがシオンちゃん、良いこと言う!)。だから美優が単独トップってことで。
美優、頑張ってコイツ守ったげて。」
「はあい、コイツ、頑張って守りまあす!」
「……(-_-;)」(ユウキちゃん)
「で、憲斗についてもさ、王子っていうより、憲斗のイメージに合わせて、“ゴロツキの成り上がりの勇者”っていうふうにするわ。」
「えっ!俺、そんなイメージっすか?」
って憲斗が驚いた顔をした。
「いや、べつに…」
「何すか?それ…」
「まあ、何でもいいじゃん。そういうイメージが浮かんだってだけ。少なくとも王子ってイメージじゃ無いってこと。憲斗やるよね?」
「はい。頑張ってやります!」
あれ、憲斗メッチャやる気じゃん。
じゃ、僕も頑張ろ。
憲斗となら安心してやれるし。
シオンちゃんもそれ考えてくれたんだろから。
ただ、最後にキスシーンあんだけど、憲斗とキスすんだよね?
やじゃないけど、逆に緊張するな…
配役の変更が幾つかあった。
一番驚いたのは、サカキの代わり、つまり僕の相手役が憲斗だってこと。これで主役級が二人とも2年生ということになり、完全に今までの慣例を破る形になった。
これまではずっと3年生がやることになっていた。4年生は夏には引退するので裏方やサポートに回ることが多い。2年生の僕が主役ってのは杏先輩の一件で特例っていう認識だったので、憲斗がなるのは意外だった。
「3年生の中には不満に思う人もいるかもしれない。でも、適材適所ってのがあるべき姿だと思うんだ。俺は今回の配置決定にはかなり自信を持ってる。今年の3年生は、映像技術に長けた人材が多いし、主役より脇役やらせる方が味のあるやつが豊富だと思う。
主役に関して言うと、コイツ(こ、こいつ~?)を選んだのは、コイツに映像制作なんか任せらんない、っていう消極的な理由じゃなくて…、ま、もちろんそれもあんだけど…、それより何よりコイツ、妙な存在感や色気あるから、やっぱストーリーも映像もコイツを前面に押し出して、コイツ中心に展開していくのがベストだと思うんだ。で、コイツの相手役考えたら、やっぱ憲斗だろ。
学年優先の配役配置ってのは、来年以降無くした方がいいと思う。本当に良いもの作ろうと思うのなら、そんなもの無くすべきだってのが俺の考えだ。
ただ、反論あったら聞きたいんで遠慮無く言って欲しい。」
「それには大賛成だから、反論じゃ無いんだけどさ…」
って、美優が手をあげて、
「元の憲斗の穴は埋めないのぉ?……ですか…」
って、いつものタメ口のノリで尋ねた。
すると、シオン先輩…
「そこは俺がなる!」
って胸張って答えた。
当ったり前だけど全員が大ブーイング!僕は両手で隣から猛ブーイング。1年生や、なぜか兵藤先輩までブーブー言ってた。
「ウッセイナ、冗談だよ…。そこは空白にする。考えてみるとさ、親衛隊のトップって、美優一人の方が絵になるっつうか、逆に締まるイメージがあるんだ(うん、うん!さすがシオンちゃん、良いこと言う!)。だから美優が単独トップってことで。
美優、頑張ってコイツ守ったげて。」
「はあい、コイツ、頑張って守りまあす!」
「……(-_-;)」(ユウキちゃん)
「で、憲斗についてもさ、王子っていうより、憲斗のイメージに合わせて、“ゴロツキの成り上がりの勇者”っていうふうにするわ。」
「えっ!俺、そんなイメージっすか?」
って憲斗が驚いた顔をした。
「いや、べつに…」
「何すか?それ…」
「まあ、何でもいいじゃん。そういうイメージが浮かんだってだけ。少なくとも王子ってイメージじゃ無いってこと。憲斗やるよね?」
「はい。頑張ってやります!」
あれ、憲斗メッチャやる気じゃん。
じゃ、僕も頑張ろ。
憲斗となら安心してやれるし。
シオンちゃんもそれ考えてくれたんだろから。
ただ、最後にキスシーンあんだけど、憲斗とキスすんだよね?
やじゃないけど、逆に緊張するな…
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