第30話 お弁当の時間

文字数 777文字

 翌朝、僕と美優は荷物多いんで、シオン先輩がお弁当や機材と一緒に2人を車で運んでくれた。

 昨日の夜、あの後セリフ覚えなきゃだったから遅くまで起きていた上に、朝作んなきゃってものもあって早起きだった。だから着くまでずっと助手席で爆睡していた。シオン先輩に写真撮られるのはお約束ごと。(今回は美優までノリノリで…)
 持ってきたデッカイ“くま”さんの縫いぐるみ(これ、UFOキャッチャーでゲットしたんだけど、メッチャ可愛いんだ。ちょっと怖い顔してるけどね…)を抱き枕に、どの写真も大口開けて寝てる。時々口に指突っ込まれてる写真まであって…、でも、美優の指だから許す。
 中でも、くまさんと美優とシオン先輩と、大口開けて寝てる僕の4ショットは、僕の居ないところで大好評だったみたいで、みんなに転送されていた。僕にまで…

 向こうでも楽しかった。
 ロケはオマケの筈だったんだけど、予定以上にはかどったし、良いものができた。特にお弁当の後のロケは、スムーズに楽しく進んでいった。お弁当の時間もその後も、スゴい良い雰囲気だったから。

 みんな感心して喜んでくれたし、作ったときの裏話でいっぱい盛り上がった。
 ジン君の、僕と兵藤先輩のやり取りのモノマネがめっちゃ上手くてバカウケしてた。



「コラッ!兵藤先輩、それ、そんな切り方しちゃダメじゃん。ちょっと包丁貸してみて!」

 「すみません…」

「こうやって切るの、こうやって!分かったぁ?」

 「ハイ…」

「あっ、兵藤先輩、上手、上手ぅ、スゴ~い。パチパチパチィ…」

 「ありがとうございます…」



 兵藤先輩もそれ見て、恥ずかしそうにしてたけど、結構楽しんで笑ってくれてた。
 ホント、作って良かったぁ!って思えた。

 ただ、僕、兵藤先輩にこんな偉そうな態度とってたかな?
 う~ん
 でも、ま、いいや…
 あ、いや、良くない!良くない!
 反省します…
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