第63話 女子会当日

文字数 987文字

 当日、なんと全員参加です!
 オール女子部員に、プラスあたくし。
 これにはビックリ致しました。
 遅れて来た人も、どうやら無理して都合つけて来てくれたようです。
 マジ、感謝です。

 せっかく全員参加してくれたので、普段話せない人、話す機会の少ない人と話そうと思った。中には、今までユウキちゃんと話したくても話せなかったって理由で参加してくれた子もいたんで、尚更そういう子たちに近づきたかった。
 だから、積極的に自分から場所を移っていったんだ。敢えてちょっと控え目な子たちを選んで。向こうからは寄って来にくいかもしれないと思ったから。
 テーブル移る度に、みんな歓声上げて喜んでくれた。



 同級生に、聡美って子がいる。この子はどの班にも所属していない。理由は、衣装全般の担当で、演劇、映画関係なく、衣装だけを総合的にやっているから。それと、ちょっと集団的な人間関係を苦手にしているから…。
 とてもおとなしい子で、普段人と話すのをほとんど見たことがない。でも、衣装に関してはすごいセンスと才能の持ち主なんだ。しかも、一生懸命、丁寧にやってくれるから、衣装の最終決定は完全にこの子に託されている。

 とってもいい子だよ。
 誰からか聞いたんだけど、中でも僕の衣装を作るときが一番楽しいって言ってくれているらしい。で、それ、ホントなんだなって分かる。いつも楽しんで作ってくれてるのがヒシヒシと伝わる、オリジナリティー溢れる衣装だから。

 うわあっ、素敵な色!…とか、
 カッコいいデザイン!…って思うものや、
 どっ、どっ、どええッッ!?…って思うようなもの…
 分かるよね?
 うん、よく分かる。

 彼女のアイデアに従って、班の衣装担当の子たちが分担して作業してくれる。大半は1年生女子。ところどころ彼女たちのオリジナルも加えていく。
 最後の仕上げは聡美ちゃん。彼女が丁寧に念入りに微調整してくれる。みんなのアイデアを無にしないように、うまく調和させながら。

 これは1年生女子たちのお話。
 ユウキちゃんの衣装作りをしていると、イメージやアイデアがどんどん広がって楽しい…、そう言ってくれているらしいんだ。
 聡美ちゃん、言葉数少ないけど、控え目で優しいから、1年生女子にとても慕われている。僕とはなぜか緊張して話せないらしいんだけど。

 今日は楽しみにして来てくれたみたい。だから自分から話しかけようと思う。
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