第22話 僕にとっての二人
文字数 786文字
別に高校時代虐められていたわけじゃない。
友だちがいなかった訳でも、楽しくなかった訳でも無い。
でも、ずっと違和感はあった。
何かに怯えていた。
視線にも、陰口にも…
僕は何かを言われて言い返すタイプではないから。
喧嘩なんてしたことない。
殴り合いなんてやったら、女の子にだって勝てないだろう。
僕みたいな子どもを持って、お母さん、きっと心配だったろうと思う。
僕も口にはしなかったけど…
ちゃんと分かってくれてたんだ。
「大学、とっても楽しいよ。部活のみんなにも可愛がってもらってるしね。」
「うん、写真見てると、ユウキ、ホントに楽しそうな顔してるもんね。」
「今度、夏合宿終わったら、憲斗の大阪の実家に行くことになってるんだ。」
「へえ、良いわね。憲斗君って、いつも一緒に3人で写ってるイケメンの男の子だよね。優しそうな子ね。」
「うん。ホントに優しいよ。こないだ夜、送ってくれたとき、家の前でハグされて、綺麗だね…って言われた。」
「アハハハハ…。それ、最っこうだね。憲斗君、やるなあ。ユウキじゃなきゃできない経験だね。いいなあ…
憲斗君と付き合っちゃえば?」
「ええっ!お母さん、マジで言ってるの?」
「いんじゃない?ユウキのこと大事にしてくれる子だったら大賛成だよ。ユウキ、優し過ぎるところあるからね。憲斗君みたいな子と付き合ってる方が、変な女に引っつかれるよりずっと安心だわ。」
「同性の恋人を薦める母親ってどうかと思うんですけど…」
「アハハ!まあ、母親のジェラシーかもね。でも、もう一人の女の子も素敵ね…」
「ああ、美優だね。」
「美優ちゃんって言うの?綺麗な子ね。」
「うん、性格も良いし、最高だよ。」
「ユウキと良い勝負してるもんね。」
「アハハ、勝てるわけないじゃん。えこひいきし過ぎだよ。」
僕は憲斗と美優のことを話すだけで、なんだかとても幸せな気分になれることに気付いた。
友だちがいなかった訳でも、楽しくなかった訳でも無い。
でも、ずっと違和感はあった。
何かに怯えていた。
視線にも、陰口にも…
僕は何かを言われて言い返すタイプではないから。
喧嘩なんてしたことない。
殴り合いなんてやったら、女の子にだって勝てないだろう。
僕みたいな子どもを持って、お母さん、きっと心配だったろうと思う。
僕も口にはしなかったけど…
ちゃんと分かってくれてたんだ。
「大学、とっても楽しいよ。部活のみんなにも可愛がってもらってるしね。」
「うん、写真見てると、ユウキ、ホントに楽しそうな顔してるもんね。」
「今度、夏合宿終わったら、憲斗の大阪の実家に行くことになってるんだ。」
「へえ、良いわね。憲斗君って、いつも一緒に3人で写ってるイケメンの男の子だよね。優しそうな子ね。」
「うん。ホントに優しいよ。こないだ夜、送ってくれたとき、家の前でハグされて、綺麗だね…って言われた。」
「アハハハハ…。それ、最っこうだね。憲斗君、やるなあ。ユウキじゃなきゃできない経験だね。いいなあ…
憲斗君と付き合っちゃえば?」
「ええっ!お母さん、マジで言ってるの?」
「いんじゃない?ユウキのこと大事にしてくれる子だったら大賛成だよ。ユウキ、優し過ぎるところあるからね。憲斗君みたいな子と付き合ってる方が、変な女に引っつかれるよりずっと安心だわ。」
「同性の恋人を薦める母親ってどうかと思うんですけど…」
「アハハ!まあ、母親のジェラシーかもね。でも、もう一人の女の子も素敵ね…」
「ああ、美優だね。」
「美優ちゃんって言うの?綺麗な子ね。」
「うん、性格も良いし、最高だよ。」
「ユウキと良い勝負してるもんね。」
「アハハ、勝てるわけないじゃん。えこひいきし過ぎだよ。」
僕は憲斗と美優のことを話すだけで、なんだかとても幸せな気分になれることに気付いた。
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