第31話 子ども

文字数 778文字

 午後は早々に撮影打ち切って、せっかくだから全力で遊んだ。
 アスレチックもあって大勢そっちに行ってしまったけれど、僕や一年生はデッカい滑り台やトランポリンがあったんで、そこで小さい子どもたちに混ざってはしゃいでいた。
 小っちゃい子どもたちともいっぱい仲良くなれた。みんな、お姉ちゃん、お姉ちゃん…って懐いてくれて、たくさん遊んでもらえた。

 僕が男だって知ったらみんな驚くだろうな。
 どんな反応するだろ…
 ちょっと想像すると怖い気がする。

 でも、あんま、そんなこと考えないようにした。考える余裕がないくらい、夢中になって一緒に遊んだ。ガキ大将気分で小っちゃい子たちを仕切りながら。

 ガキ大将、とってもうまくやれたと思います!絶対向いてる!みんな率先して僕の言うこと聞いて、しかも楽しんでもらえたから。
 ま、僕が一番楽しんでたんだけどね

 美優と憲斗は二人、芝生の上に並んで座って、僕が小っちゃい子たちと遊ぶのを見ながら、何か静かに語り合っていた。
 何話してんだろ…?子どもだよな、とか言ってるのかな。
 それでも時々手を振ったら、二人とも楽しそうに笑顔で手を振り返してくれた。

 あの二人、やっぱ、お似合いだ
 僕なんかよりずっと大人っぽいし
 なんかジェラシー
 どっちに対しても



 美優たちが、大量にいろんなお菓子を作ってきてくれたから、おやつの時間には周りの子どもたちも呼んで食べてもらった。お父さんやお母さんたちにも。そうしないと食べきれないくらい多かったから。

 で、今回のお菓子作りのコンセプトは、『女子と子どもと“ユウキ” が喜ぶお菓子』なんだって…
 女子も子どもも、もちろんユウキも大喜びでした。その上、お父さんやお母さんたちにも、味だけじゃなく、見た目の美しさにも感心してもらえたようです。
 みんな大満足の様子だから、このコンセプト、大成功だったと思うよ。




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