第66話 琴音先輩の告白
文字数 1,339文字
「この前は、素敵な写真撮っていただいてありがとうございました。」
「ああ、あれね…。でも、あれ撮ったの荒井さんだから…」
「いえ、琴音先輩が素敵な加工してくださったお陰で、いろんな発見がありました。」
「発見?」
「ええ。荒井さんもおっしゃってましたけど、"目" …です。琴音先輩、わたしの"目"に気づかれてましてよね…」
「ねえ、アタシにもついでよ…」
「あっ、はい、すみません…」
琴音先輩は、質問に答える代わりに、空のグラスを差し出した。
僕は黙ってビールを注いだ。
「ありがと…」
そう言って半分ほど飲んでからこう続けた。
「アンタさぁ、あん時、みんなの前で脱いだじゃん?」
「エッ?」
「あん時、アタシ、どっちにも手あげなかったの気づいてた?正直、アンタ…、オトコなのかオンナなのか、よく分かんなかったからさ…」
「そうだったんですか…」
撮影の後、みんなの前で服を脱いで、僕の体は男なのか女なのかを尋ねた…、例のあの一件のことだ。
そっか…、琴音先輩は、手上げてなかったんだ…
「目だけじゃないんだ。どこだか分かんないけど、どっかオトコを感じさせる部分あんだよね。オトコだから当たり前かもしんないけど…。ただ、アンタ…、他は、アホか、ってくらいちっともオトコじゃないからさ…」
「そうなんですか…」
「アンタ、その"オトコ"の部分、大事にしなよ。」
「エッ?」
「アソコの話じゃないわよ。」
アハハと笑って残りを飲み干したので、 僕はまたビールを注いだ。
すると今度は、琴音先輩が僕の手からビンを奪い取って、
「それ、さっさと飲んじゃいなよ」
って催促した。
「あ、はい…」
僕は少し残っていたビールをグイッと飲み干した。
飲み終わるや、直ぐにまた並々と注がれた。アワがテーブルに溢れ落ちた。
琴音先輩、酔ってるかも…
「ありがとうございます…」
「別に、完全に"オンナ"になる必要なんてないよ。なろうとしてなれるもんじゃないし、舐めんじゃないわよってハナシ…。ま、アンタ見てると、無理してなろうって気も全然無さそうだけどね。あんたのその雰囲気、作ろうと思って作れるもんじゃないもんね…
でも、不思議だよね…、あんた見てると、マジこっちの調子狂うわ。ガチさ加減、ハンパないほどいい女なんだけど、どっか違うんだよね。やっぱ、女じゃないんだ。例えばこの腰とかさァ…」
そう言って琴音先輩、突然腰を握ってきたんで、思わず、“キャッ!”と悲鳴を上げた。
「何が、キャッ!よ、ったく…。だいたいこの腰、いったいどういう獲物狙ってんの?男?女?これ、どっちも攻められんじゃん!」
そ、そんなこと言われても…、琴音先輩のお尻の絞まり具合の方がよっぽど気になんだけど…。正直、触らせてもらいたいです…
「あたしは“オンナ”専門なんだけど、あんたにはメッチャ興味感じるんだ。パッと見いいオンナなんだけど、やっぱオンナじゃないんだよね。オンナともオトコとも違う不思議なクソエロさがあるんだ…」
僕は、エッ、と思って琴音先輩を見つめた。
琴音先輩は肘ついて悪戯っぽい笑みを浮かべながら僕を見つめていた。
知ってはいた…
琴音先輩が、そうだってこと。
いろんな人から聞いたことがある。
でも、本人の口から直接耳にするとは思わなかった。
「ああ、あれね…。でも、あれ撮ったの荒井さんだから…」
「いえ、琴音先輩が素敵な加工してくださったお陰で、いろんな発見がありました。」
「発見?」
「ええ。荒井さんもおっしゃってましたけど、"目" …です。琴音先輩、わたしの"目"に気づかれてましてよね…」
「ねえ、アタシにもついでよ…」
「あっ、はい、すみません…」
琴音先輩は、質問に答える代わりに、空のグラスを差し出した。
僕は黙ってビールを注いだ。
「ありがと…」
そう言って半分ほど飲んでからこう続けた。
「アンタさぁ、あん時、みんなの前で脱いだじゃん?」
「エッ?」
「あん時、アタシ、どっちにも手あげなかったの気づいてた?正直、アンタ…、オトコなのかオンナなのか、よく分かんなかったからさ…」
「そうだったんですか…」
撮影の後、みんなの前で服を脱いで、僕の体は男なのか女なのかを尋ねた…、例のあの一件のことだ。
そっか…、琴音先輩は、手上げてなかったんだ…
「目だけじゃないんだ。どこだか分かんないけど、どっかオトコを感じさせる部分あんだよね。オトコだから当たり前かもしんないけど…。ただ、アンタ…、他は、アホか、ってくらいちっともオトコじゃないからさ…」
「そうなんですか…」
「アンタ、その"オトコ"の部分、大事にしなよ。」
「エッ?」
「アソコの話じゃないわよ。」
アハハと笑って残りを飲み干したので、 僕はまたビールを注いだ。
すると今度は、琴音先輩が僕の手からビンを奪い取って、
「それ、さっさと飲んじゃいなよ」
って催促した。
「あ、はい…」
僕は少し残っていたビールをグイッと飲み干した。
飲み終わるや、直ぐにまた並々と注がれた。アワがテーブルに溢れ落ちた。
琴音先輩、酔ってるかも…
「ありがとうございます…」
「別に、完全に"オンナ"になる必要なんてないよ。なろうとしてなれるもんじゃないし、舐めんじゃないわよってハナシ…。ま、アンタ見てると、無理してなろうって気も全然無さそうだけどね。あんたのその雰囲気、作ろうと思って作れるもんじゃないもんね…
でも、不思議だよね…、あんた見てると、マジこっちの調子狂うわ。ガチさ加減、ハンパないほどいい女なんだけど、どっか違うんだよね。やっぱ、女じゃないんだ。例えばこの腰とかさァ…」
そう言って琴音先輩、突然腰を握ってきたんで、思わず、“キャッ!”と悲鳴を上げた。
「何が、キャッ!よ、ったく…。だいたいこの腰、いったいどういう獲物狙ってんの?男?女?これ、どっちも攻められんじゃん!」
そ、そんなこと言われても…、琴音先輩のお尻の絞まり具合の方がよっぽど気になんだけど…。正直、触らせてもらいたいです…
「あたしは“オンナ”専門なんだけど、あんたにはメッチャ興味感じるんだ。パッと見いいオンナなんだけど、やっぱオンナじゃないんだよね。オンナともオトコとも違う不思議なクソエロさがあるんだ…」
僕は、エッ、と思って琴音先輩を見つめた。
琴音先輩は肘ついて悪戯っぽい笑みを浮かべながら僕を見つめていた。
知ってはいた…
琴音先輩が、そうだってこと。
いろんな人から聞いたことがある。
でも、本人の口から直接耳にするとは思わなかった。
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