第27話 お弁当、作ります

文字数 857文字

 次の日曜日は郊外の森林公園へ、映画班みんなで撮影に出かけることになっている。メインは撮影目的だけど、映画班の新入生歓迎イベントって意味もある。ただ、どっちかっていうとやっぱ…、ピクニックなのかな…

 去年も楽しかったけど、少し気になったことがある。それはお弁当。
 せっかくあんな広々とした自然いっぱいの所でお昼食べるのに、コンビニとか、近くの売店で買ったものをみんなで食べるってのが、あまりにもザンネン!メッチャ勿体ないよ。
 だからミーティングの時に言ったんだ。

 お弁当、作ります!って

 そしたら憲斗が、俺も手伝うわ…って言ってくれて、続いて兵藤先輩まで、是非ユウキさんのお力になりたい、って名乗りを上げてくれた。これには一堂、

 オオオオーッ!!!

 更に、一年生男子軍団五人全員(みんな熱狂的な僕のファン…)も、やりたいって。

 シオン先輩の挙手については余談。
 美優に、"どうせユウキのエプロン姿見たいだけでしょ!仕事しろ!" って一喝されて即却下。

 一年生女子五人(これまた全員僕の熱過ぎるファン…)も速攻一緒にやりたいって言ってくれたんだけど、狭い僕んちで作るんで、八人が限界かなって思って。それとあと、男がやることに意味あると思ったから、今回は一年生女子には遠慮してもらった。その代わり美優たちの手伝いをお願い、って頼んだ。

 美優は、僕がお弁当作るって言ったら、すかさず、じゃあ私はスウィーツ作る、って言ってくれた。これは僕の作戦通り。乗せられてるの百も承知だと思うけど、乗ってくるのは目に見えていたから。美優は料理やお菓子作りもメッチャ上手いんだ。僕なみにね。
 一年生女子も、美優さんのお手伝いなら喜んで引き受けます、って言ってくれた。これも計算済み。ただ、僕らにすんごい対抗意識燃やしてた。これはちょっと想定外…

 前日、男はお弁当作りで僕の家に、女の子たちはお菓子作りで美優の家に、それぞれ集まることが決まった。
 今回は行く前からテンション上がる。
 お陰でセリフ覚えなきゃいけないこと、前日まで忘れてた。
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