第34話 とっても綺麗な足ですね

文字数 1,296文字

 ひなちゃんイチオシのお店に行って一緒に見てもらった。このお店、女の子たちに人気あるのは知っている。ただ、僕にはちょっとギャル過ぎかなってイメージあったから、ほとんど入ったことなかった。
 でも実際に見てみると、思ったよりずっと幅広いタイプの服を扱っていて、アッ、コレッ!て思うものがいっぱいあった。見ていてとても楽しい。多分知ってる子が、たまたまここのギャル系の服を着ていただけなんだろうね。
 ひなちゃん、全身このブランドって訳じゃなく、ワンポイントでうまく着こなしているところがオシャレ。確かにこのお店になら、持ってる服とうまく合わせられそうなスカート、たくさんありそう。

 よくこのお店に来るみたいで、顔馴染みの女性店員さんと楽しそうに冗談言い合いながらも、ちゃんと僕に似合いそうな服の情報を聞き出してくれた。やるなあって感心するくらい上手に。

 あれこれ勧めてもらった結果、取り敢えず3つに絞れたから、全部試してみることにした。どれも短すぎず、タイト過ぎず、可愛い過ぎず、よく僕のことを考えてくれている色とデザインだった。
 そのうち最後の服がとっても気に入った。それ着たら、ひなちゃん的にもかなりシックリきたみたいで、

「あ、これ良い!すごいユウキ先輩似合う!」

って言ってくれた。
 すると店員の女性が、ちょっと下から覗き込むような姿勢で僕の足を見つめながら、なぜか服のことよりも、

「とっても綺麗な足ですね」

って、足を褒めてくれた。感心したような表情浮かべて。

「でしょ?ほら、ユウキ先輩、店員さんが見ても綺麗な足してるんだって。マジ、羨ましいですよ。ちょっと私と比べてみて下さいよ!」

 そう言ってひなちゃん、自分のスカートを股下までまくり上げ、オマケに僕のスカートも一緒にまくり上げて、店員さんにナマ足並べて見せた。

 えっ、マジ?

って思ったけど、全然恥ずかしくないのが不思議。ひなちゃん、完全に僕のこと、女と思ってくれてる…

 店員さんも、まじまじと二人のナマ足見比べながら、

「お二人とも綺麗ですけど…、やっぱりこちらの方、素敵ですよね。モデル級だと思います」

って、僕の方に手のひらを向けて言った。

 ん?ないない!それ、褒めすぎっしょ!!
 絶対美優に負けてるし…
 あっ、でも、今度美優に、ナマ足見比べっこしよ、って言ってみよっかな
 二人で座ってナマ足伸ばして、女の子たちにどっちが綺麗か判定してもらうの
 怒られっかな?

「これだけ綺麗だと、膝がちょっと見えるくらいで十分アピールできますし、むしろその方が清潔感あって、より自然に足の美しさが際立つと思います。」

って、店員さん、さっきひなちゃんが言ったのと同じようなことを言って下さった。

「歩いてる時の方が、余計に足の綺麗さ、目立ちそうだね。」

「そうですね。躍動感出る作りになってるんで、良い感じにアピールできると思います。」

「うん、ユウキ先輩の可愛さも出る。」

「とっても可愛いし上品です。」


 買っちゃいましたよ!
 お世辞に乗せられまくって
 何より自分がとっても気に入ったし、無理しすぎない程度に足アピールできそうって思ったから…
 買っちゃいました!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み