第122話 Apple of discord(不和のりんご)

文字数 729文字

「イエスには悪いんだけどさ」
 メシヤが言いにくそうにしている。

「スマホがApple製品しか選べないような現状では、駄目だと思うんだよね」
 イエスはApple信者である。

「俺もiPhoneじゃなきゃいけないって訳じゃないんだが、事実上、AndroidかiPhoneかの二択だよな」
 イエス達が幼少のころは、ガラケーの国産機種がまだまだ豊富にあった。形状も様々である。メシヤはその頃の記憶が強いのだろう。

「それは私も思うわね。四角いのっぺらなスマホしかないんだもの」
 マリアはローズゴールドのiPhoneを使用している。

「auのINFOBARとか良かったよね」
 ボタンの色が各数字で異なるデザインである。

「あった!あった! あれ子供ながらに欲しかったのよね。BlackBerryでポルシェデザインてのもあったわ」
 休日にポルシェに乗るマリアのお気に入りであった。

「スライド式のQWERTYキーボードのタイプもあったな」
 イエスが回顧する。あいうえおでメールを打つのは大変だったが、画期的で機能的なコレは、好評を博した。

「なんで四角だけなんだろうネ。アッコちゃんのコンパクト型とか六芒星型とか色々あって良さそうなものだけド」
 エリはこういうアイデア出しはお得意だ。

「お姉さま、素晴らしいですわ!」
 レマのほうが真面目でしっかりしているが、姉のことをとても尊敬している。

「新一万円札にも使われる技術だけど、ホログラフィーが登場したね。スマホにもいずれ搭載されるんだろうなあ」
 メシヤは両手がふさがらないように、腕時計型か指輪型の携帯端末を思い描いている。

「ホログラフィーで画面を表示させるのなら、形状は問わなくなりそうですわ」
 レマの諜報活動にも、役立つことだろう。





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