第166話 白いTOKYO
文字数 836文字
「関東に雪が降るなんて珍しいわね」
年末に北伊勢ではかなりの積雪だったが、年明けは東京が白く染まった。
「馴れてないから交通トラブルとか起きちゃうよね」
地球温暖化を疑いたくなる気象変化だ。
「令和になってからというもの、世の中の変化についていくのがやっとですわ」
この物語の設定では、メシヤたちの生まれた年から計算すると「令和」は辻褄が合わなくなってしまうのだが・・・。
「面倒だが、融雪剤を効果的に使いたいもんだな」
雪の降る地方では、道路脇に塩化カルシウムが置かれているポイントがある。
「塩も融雪剤の代わりになるみたいだね。塩害には気をつけないといけないけど」
塩化カルシウムを撒くと、凝固点が約20度下がる。これで雪が融けやすくなるという寸法だ。ちなみに、料理の時に鍋のお湯に塩を入れると早く沸騰すると言われることがあったが、それをしてしまうと逆に沸点が高くなってしまう。
「除湿剤や乾燥剤もこういうとき使えるよネ!」
エリはこういうが、塩化カルシウムでは無いタイプのものもあるので、成分表をよく確かめられたし。
「バーベキューで使った残りの炭も、細かくして撒けば融雪剤になる。インスタントコーヒーの滓とかな」
イエスの方法も本来捨てるものの有効活用だが、汚してしまうので使う場所には要注意だ。
「ふうん。色々あるわね。手っ取り早く水やお湯を掛けたら駄目なのかしら?」
マリアが素朴な疑問を抱いた。
「マリア、それは禁じ手だ! ついやっちゃいそうになるんだけど、路面凍結するから滑って転んで危険だ!」
実際やってみると分かるが、お湯を雪に掛けるにしても、一杯のポットで掛けられる面積は、あまりに少なすぎる。路面凍結の話のついでに言うと、スケートリンクはお湯を掛けて造られる。
「あっ」
バランスを崩したマリアがメシヤにぶつかりそうになった。ちょっと手が触れて沈黙になった。マリアがわざと寒そうな仕草をする。
「寒いときは走るに限るよ」
メシヤが急に駈け足になった。
「あんた本気 !?」
年末に北伊勢ではかなりの積雪だったが、年明けは東京が白く染まった。
「馴れてないから交通トラブルとか起きちゃうよね」
地球温暖化を疑いたくなる気象変化だ。
「令和になってからというもの、世の中の変化についていくのがやっとですわ」
この物語の設定では、メシヤたちの生まれた年から計算すると「令和」は辻褄が合わなくなってしまうのだが・・・。
「面倒だが、融雪剤を効果的に使いたいもんだな」
雪の降る地方では、道路脇に塩化カルシウムが置かれているポイントがある。
「塩も融雪剤の代わりになるみたいだね。塩害には気をつけないといけないけど」
塩化カルシウムを撒くと、凝固点が約20度下がる。これで雪が融けやすくなるという寸法だ。ちなみに、料理の時に鍋のお湯に塩を入れると早く沸騰すると言われることがあったが、それをしてしまうと逆に沸点が高くなってしまう。
「除湿剤や乾燥剤もこういうとき使えるよネ!」
エリはこういうが、塩化カルシウムでは無いタイプのものもあるので、成分表をよく確かめられたし。
「バーベキューで使った残りの炭も、細かくして撒けば融雪剤になる。インスタントコーヒーの滓とかな」
イエスの方法も本来捨てるものの有効活用だが、汚してしまうので使う場所には要注意だ。
「ふうん。色々あるわね。手っ取り早く水やお湯を掛けたら駄目なのかしら?」
マリアが素朴な疑問を抱いた。
「マリア、それは禁じ手だ! ついやっちゃいそうになるんだけど、路面凍結するから滑って転んで危険だ!」
実際やってみると分かるが、お湯を雪に掛けるにしても、一杯のポットで掛けられる面積は、あまりに少なすぎる。路面凍結の話のついでに言うと、スケートリンクはお湯を掛けて造られる。
「あっ」
バランスを崩したマリアがメシヤにぶつかりそうになった。ちょっと手が触れて沈黙になった。マリアがわざと寒そうな仕草をする。
「寒いときは走るに限るよ」
メシヤが急に駈け足になった。
「あんた