呆れている(2024.2①)

文字数 255文字

いくら飲んでも酔えず
気づけば日付が変わり
孤独に酔ったわたしは

 咳をしてもひとり

そっと呟き
そっと笑う

子規だったか
山頭火
あるいは一茶か

思い出せずに
スマホを頼る

スマホがいるから
わたしは孤独ではない
と強がりながら
指を動かす

放哉だった
尾崎放哉を忘れるくらいに
酔っているらしい

もう
 酒は
  やめます

才は遠く及ばないから
嘘だけでも真似る

もう
 酒は
  やめます

舌の根が乾かぬうちに
流し込む

きっと
放哉も
呆れている

 スマホがいてもひとり

さっと呟き
さっと笑う

放哉とわたしは
天と凡

才がなければ
ただの中毒者だ

わたしも
わたしに
呆れている
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