夏、蝉(2021.9月+α)

文字数 153文字

蝉の声量が
群れから孤に変わった

季節が
気温を置き去りに
進んでいく

人生で
初めて
夏の服を
一枚も買わないまま
通り過ぎようとしている

生きている
実感がないから
生きていく
質感が薄らぐ

今年の夏は
何もなかった夏として
忘れられない夏になった

蝉の鳴き声が消えても
衣替えは
しばらく先になる

秋になれば
新しい服を
買う心持ちに変わるかな
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