朝から昼ご飯を思う朝(2024.3②)

文字数 469文字

いつも
雲は遠くに在る
と思っていたが
今朝は
随分と近いので
何だか嬉しい

積雲
あるいは
わた雲
というらしい

調べたら
直ぐに分かった

ほんとうに
僕は
ものごとを知らない

わた菓子よりも
わた雲が先なのだろうか?
わた雲よりも
わた菓子が先なのだろうか?
どちらでもいいけれど
わた菓子が食べたくなる

もう十年以上
食べていない

何だか猛烈に
食べたくなる

 おはよう

いつもなら
遠い存在の社長が
声を掛けてくれる

 おはようございます

僕は
いつもより
早めに出社したのだ

社長が
自分よりも
早く出社していることを
はじめて知った

ほんとうに
僕は何も知らない

社長は
別名
おにぎり君と呼ばれている

おにぎり顔なのだ

社長の顔を見たら
おにぎりが食べたくなった

朝ご飯を
食べたばかりなのに
食い意地が強い僕なのだ

昨日も
一昨日も
おにぎりだったけど

 早くから
 ありがとう

先にエレベーターを
下りた僕に
社長が声をかけてくれる

たったひと言なのに
何だか嬉しくなる

閉まる扉に
頭を下げながら
今日の昼は
コンビニで
いつもより
高いおにぎりを
買おうと思う

もちろん
午前中は
いつもより
しっかりと働こう

あっ、あと
スーパーで
わた菓子も買わなくちゃ
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