川面(2022.11.23)
文字数 259文字
川面を走る女を見たのは
昨日の朝のこと
たぶん
誰も
信じてくれまいと
今朝は
いつでも
撮れるように
構えている
年齢は
分からず
思い返せば
髪が長かっただけで
男だったかもしれない
やはり
現れない
か
ぼくは
川に近づき
スマホを
尻ポケットに入れ
大きく深呼吸する
一回、二回、三回と
心が決まり
向こう岸を
目指して
川面を
走り出す
一歩目から
浮かばず
ランニングシューズは
ずぶ濡れになる
川幅
五メートルほどの
浅瀬
髪の長い人が
追い越していく
年齢も
性別も
分からないが
川面を
走り抜けていく
向こう岸に
着いたら
消えた
毎朝
続けたら
いつか
ぼくも
川面を
走れるように
なるだろうか
昨日の朝のこと
たぶん
誰も
信じてくれまいと
今朝は
いつでも
撮れるように
構えている
年齢は
分からず
思い返せば
髪が長かっただけで
男だったかもしれない
やはり
現れない
か
ぼくは
川に近づき
スマホを
尻ポケットに入れ
大きく深呼吸する
一回、二回、三回と
心が決まり
向こう岸を
目指して
川面を
走り出す
一歩目から
浮かばず
ランニングシューズは
ずぶ濡れになる
川幅
五メートルほどの
浅瀬
髪の長い人が
追い越していく
年齢も
性別も
分からないが
川面を
走り抜けていく
向こう岸に
着いたら
消えた
毎朝
続けたら
いつか
ぼくも
川面を
走れるように
なるだろうか